三井記念美術館所蔵の名品といえば、

国宝 志野茶碗「卯花墻」(うのはながき)

 

立派な箱書は、片桐石州の筆とされ、

その蓋裏の和歌を読んでいるが、

今回は2行目から

最初の文字は、簡単で、「か」

(「加」の崩し字)で、

 

次の文字は、斜めにくちゃくちゃして

まだ変体仮名に慣れないうちは

全く読めない字だが、少し勉強を

してくると「き」と読むのは簡単

 

「き」と読ませる崩し字には、実は

似たような文字が二つあって

「幾」

「貴」

この辺りは、読めれば、どちらでも

いいような気がするが、今回は「幾」

 

次の字は

「の」(「乃」の崩し字)で

その次は、

「な」(「奈」の崩し字)なので、

 

問題は、その下の字で、

これは変体仮名では頻出なので、

慣れてくると、何となく読める。

 

初めの頃のミスとしては、

「奈」の下の筆の流れを見過ごして、

その下の丸を点と見てしまうと、

下の「つ」の字と一緒になって、

「う」(宇の崩し字)と見えてしまうこと

 

正解は、

「奈」の下の点と丸で一つの文字

「可」の崩し字で、「か」と読む。

これは横棒と、丸を離すことが多い。

もっと崩すと、丸だけのことがある。

それに少し困るのは、多くの場合

小さく丸く書かれることが多いこと

 

箱などの書付では、点との区別が

つきにくくなることがあるので、

点をみたら、丸い筆遣いかどうかを、

よく見る

これがコツ!

 

その後は、現代の平仮名とほとんど

違いがないので、簡単

「つみちゆき」である。

 

ということで、二行目は

「かきのなかつみち ゆき」

 

一行目から続けて読むと

「やまさとの うのはな

かきのなかつみち ゆき」となって、

大分和歌らしくなってきたぞ・・・

(写真は、今回の図録「茶の湯の

美学」(三井記念美術館)より借用)

 

三行目、四行目は明日