前回の大河ドラマ「光る君へ」は、

「放たれた矢」という題で、

関白藤原道隆の子伊周(これちか)が

出家した花山法王の従者を矢で射掛け

法王がうづくまるところで、終わった。

 

これが

長徳の変(995)と言われる事件で

伊周とその弟の隆家が左遷され、

地方に流されることになる。

 

この話は、とても面白い背景があって、

花山天皇が兼家の子道兼の謀略により

出家した経緯と関係している。

 

この時、花山天皇は、愛しい女御

藤原忯子(よしこ)が出産により

亡くなって、道兼の謀略で、

忯子が成仏できていないと言われて、

その供養のために出家したのは

大河ドラマで描かれていた。

 

この藤原忯子が誰だったのか、が問題で

これは藤原為光の娘とされていて、

その為光は、関白兼家の弟で

忯子の兄は、藤原斉信(ただのぶ)

という関係にある。

 

そして花山法王は、出家した後も、

女性の方は控えられなかったらしく

藤原忯子(よしこ)の妹である

藤原為光の娘四女のところに

通っていた。

 

それを伊周が知って、

自分が思いをよせる為光の三女

のところに、

法王が通っていると誤解したのだ、

 

恋のさや当て」で、実際に

矢が射掛けられてしまった

というわけ

 

為光の娘は、きっと、いずれも

美して和歌なども上手な姉妹だった

に違いないな。

 

この事件によって、伊周は

道長により座るべき円座を奪われて、

出仕できなくなっただけでなく、

配流となったが、

 

何しろ一条天皇の中宮の正子の兄で、

第一皇子の敦康親王の伯父とあって、

この配流は、後に

一条天皇の中宮定子の「御悩」を理由

とする大赦で許されることになる。

 

ときの内大臣の配流ということもあって、

時の一大事件だった。

 

今日は為光の姉妹を思って、二輪のバラ