早くも4月も終わりになり、

来週からは、お茶のお稽古もこれまでの

炉から風炉に変わる季節となってきた。

 

5月は、何と言っても

端午(たんご)の節句」

男の子の節句とされ、

男の子が生まれた家庭では、

子供の成長と健康を祈って、

鎧兜(よろいかぶと)の飾とか、

武者人形が飾られる。

 

端午(たんご)の節句は、

菖蒲の節句」ともいわれる。

これは鎌倉時代以後に、「菖蒲」が

尚武」(武を重んじること)と

読みかえられること、

菖蒲の葉のスーッとして長い形が

剣を連想させる事などからとされている。

 

茶道具にも、矢羽根を設えたもの

などがある。

風炉先 矢羽根

(淡交テキスト「茶席の掛物5」より)

 

昔からこの季節には、

菖蒲湯に入る風習がある。これは、

菖蒲や蓬(よもぎ)などの薬草が

厄払いの効能があるとされていたからで、

 

茶道具にも「薬玉」といって、

菖蒲や蓬などを五色の糸で結びつけた

ものが荘られることがある。

これは宮中での行事の流れで、それが

民間にひろがったもので、厄払いの

意味があったようだ。

(写真はネットより借用)

 

この季節、和菓子屋に行けば、

必ず柏餅が並んでいて、

こしあん、粒あん、味噌あん

私も、毎年これを食べないと

どうも落ち着かない。

 

お茶席でも、柏餅が出たら

万歳なんだけど・・・

 

なぜ、この季節に柏餅かというと

柏という木は、新芽が出るまで

古い葉が落ちないことから

「家系が絶えない」縁起物として

広まっていったらしい。

 

それに端午の節句には

空にはためく鯉幟(こいのぼり)

これは中国の登竜門の故事があり、

流れの急な龍門という河を登りきった

鯉は龍になるという伝説がもとに

江戸時代に関東で始まった風習

 

どうみても、京都の公家屋敷で

鯉幟なんかは似合わない。

これも武家の風習なのだろう。