旧暦で3月になると、もう4月近くで

日差しが温かくなり、雪が解けて、

川などの水が温む季節なので、

水のついた季語が多くなる。

 

春水、春の水、水温む

だけでなく

曲水

 

曲水という言葉は、もともと

曲がりくねって流れる小川の意味だが

京都でこれをいうと、

曲水の宴」のことだと思う。

 

平安の昔、

宮中や貴族の屋敷の庭には池があり、

そこに流水の流れる小川が造られ

そこで歌会を開いて、

庭園の曲水に沿って参会者が座り、

上流から流される杯が自分の前を

通り過ぎないうちに詩歌をよみ、

杯を手に取って酒を飲んでから

杯を次へ流すという遊びがあった。

これを「曲水」(めぐりみず)の宴

といったようで・・

 

これは本来

中国で行われていたものらしく、

現在でも、上賀茂神社の行事として、

貴族の装束を着た方々が「曲水の宴」を

やっているのをTVで見たことがある。

 

宮中の歌会始のようなものを

庭の川の流れをつかってやるような

もので、誠に優雅なものだが、

 

偉い貴族が居並ぶ中で、

いかに和歌の名手とはいえ、

果たしてお題を言われて、

その場で、水の流れを見ながら、

歌が詠めたのだろうか・・・

 

平安の時代とは言え、ちょっと、

それは難しいだろうから、予め

その日のお題を予想して、和歌の

大体を考えておかないと・・・

その場の状況で、当意即妙に

その日の趣向を盛り込むことが

できれば、上等だったのでは。

 

流水と言えば、

清閑寺窯 杉田祥平のお得意の絵柄

これは【色絵金流水に扇面画】

これで今日は薄茶をいただこう。