薄茶器で、よく出てくる異形の

薄茶器に老松棗がある。

(老松茶器 裏千家8代又玄斎(一燈)花押 

11代玄々斎箱書)

 

老松棗は、多くは松の明るい木目を

生かした溜塗(ためぬり)で

平たい形で、割蓋のついた棗

割蓋は、二つの蝶番(ちょうつがい)で

繋がれていて、お茶を入れるときは

蝶番を開いてお茶を取る。

扱いは、形が平たいので、

平棗に準じて、左手で上から取って

一旦右手で扱って、左掌に乗せるが、

割蓋を縦にして、畳んだ帛紗を右手に

縦にもって、割蓋を「り」の字に清める。

左から縦に清め、次いで右を縦に清める。

お茶を茶碗に入れるときは、

割蓋の蓋を縦にして、左掌に乗せ

左手の親指で、割蓋を軽く押さえて

右側から蓋を開いて、お茶を取る。

拝見のときは、左掌にのせて

割蓋を縦にもち

割蓋を「り」の字に清めて、

左手の親指で、割蓋を軽く押さえて

右側から蓋を開いて、

開かれた右側の口を「ノ」の字に

清める。

(手前の写真は「実用茶道具の扱い①」

(淡交社編集部))