歴史的に有名な棗としては、

松平不昧公の原羊遊斎のものを

取り上げたが、

 

もっと古い蒔絵の棗に、利休の師

武野紹鷗が所持したとされている

亀甲蒔絵大棗がある。

これは現在五島美術館の所蔵で、

現存最古の蒔絵棗とされているらしい。

(写真は「茶道具の世界8 棗」(淡交社)より)

 

何しろ絵姿が美しい。

「茶席の蒔絵」(淡交別冊)を眺めていたら、

茶席に高麗茶碗と一緒に並べた

写真があって、惚れ惚れしてしまった。

この棗が取り上げられていて、

亀甲の蒔絵がアップされている

長年の使用で、花菱のところが

蒔絵がかすれ、地の漆がみえて、

いかにも侘び茶を体現していよう。