懐石のお菓子は、裏千家だと、

「縁高」に入れて出される。

その扱いは、正客と次客

末客で、やることが違っている。

 

今日は、次客編で、

Ⅱ)次客

正客は、最下段を残して

その上のお菓子の入った縁高を

次客との間に送るので、次客には

数段の縁高が送られてくる。

 

次客は、次の客に次礼して

一旦縁高の最下段を残し、

下から2段目以上を持ち上げ、

最下段の菓子の数を確認する。

手にした2段目以上の縁高を

左に45度回して、

最下段の縁高の上に置く、

 

縁高のお菓子が1つであれば、

黒文字を1本入れて、お菓子を取り、

そのまま主客と同様に、

縁高を拝見し、懐紙で軽く清め、

次客は、次の客にこれを送る。

 

これに対し、縁高に2つお菓子が

入っていると、面倒!

正客の場合、最下段にはお菓子が

1つだけ入れてあるが、

上の段は、客の数によってお菓子の数が

調整されているので、

次客に送られた縁高の最下段には

2つお菓子が入っていることがある。

 

その場合には、

次客は、蓋の上の黒文字を

お菓子の数だけ取って、

最下段の縁高と、2段目の縁高の

ずれた隙間に取って入れる。

 

このとき、

次客は、正客の所作を見ているので、

ついつい最下段のお菓子の数を確認するのが

疎かになりがちで、

お菓子は1つだけと思い込んで、

黒文字を1本だけしか入れないことがある。

そうすると、上の段を次の客に送った後に

お菓子の数が違うことに気が付いて、

黒文字を戻してもらうという失態がおこるので、

縁高を持ち上げたときに、しっかり

お菓子の数を確認しないと・・・

 

その上で、次客は、

下から2段目以上の縁高を

次ぎの客との間に置いて送る。

お菓子が一つのときは、

次客も、縁内に懐紙を出して、

左手を縁高に添えて、

黒文字で、主菓子を取ると

縁高は空となるので、

縁高を拝見して、清める。

 

そのころには、正客から、

お菓子を取った空の縁高が

次客の上座縁外に送られている。

次客は、送られてきた空の縁高の上に

自分の空の縁高を重ねて、

次の客に送ることになる。

 

縁高のお菓子が2つであれば、

次客が、自分の分のお菓子を

懐紙に取ったあとに、

お菓子が1つ縁高に残っているので、

縁高は、次の客に送ることになる。

 

このときは、主客から

空の縁高が送られてきても

主客の縁高の上に重ねないで、

次客は、主客からの空の縁高を

そのまま次の客に送る。

 

自分の縁高には、

次の客のお菓子が入っていて、

空になっていないから。

(このとき次客は、縁高を3度

送ることになる。)

 

ということで、

次客は、最下段の縁高の

お菓子の数を確認して、

その数だけ黒文字を入るし、

送る縁高も扱いが違ってくる。

ああ面倒なこと・・・

 

(写真は「入門 お茶の作法」(西東社)より)