初釜では、懐石をいただくが、

最初に、飯椀、汁椀、向付が

折敷(おしき)に乗せて出され、

客が食べ始め、飯を食べ終わる

ころを見計らって、

 

亭主が燗鍋(かんなべ)と盃台が

持ち出される。

燗鍋(かんなべ)は、

注ぎ口と持ち手のある蓋付の器

 

燗鍋には、燗を付けたお酒が

いれられており、

盃台の上には、盃(さかずき)を

客の人数分重ねられている。

 

今回の初釜で、先輩から「お酒の

入った器は、何というの?」と

質問されてしまった。

そのとき燗鍋(かんなべ)という

言葉が思いつかず、

田舎では「ちょか」「ちょろぎ」と

呼んでいたような気がする・・・

とだけ答えた。

 

調べてみると、

鹿児島では土瓶型のものを、

「ちょか」というらしい。

 

後になって、よくよく考えると

どうして燗鍋(かんなべ)という

言葉がなかなか頭に入らないか

理由が分かった。

 

燗鍋(かんなべ)は、

昔はこれに直接火をかけて、

燗をしていたようで、金属製のもの

だったので、「鍋(なべ)」という。

今では、塗り物や陶磁器のものも多い。

(写真はネットより借用)

 

実際火にかけないものなので。

鍋という言い方が合わない。

それで頭に入ってこないというわけ

 

ところで、盃台と盃の扱いだが、

 

盃台が正客の上座に置かれると、

亭主から「どうぞ、盃の取り回しを」

と言われ、

正客は亭主に一礼して、

次客に「お先に」と次礼して、

 

盃台の上から、重ねされた盃を

一旦全部手前におろして、

一番下の盃を残して、残りの盃を

盃台に戻す。

亭主からは、「一献いかが」と

挨拶され、両手で盃をもって

お酒を注いでいただく

(写真は「入門 お茶の作法」(西東社)より)

 

これがお酒のお作法