お茶のお稽古で、

これは絶対に覚えておいた方がいい

和歌に秋の夕暮れを詠う

三夕」(さんせき)があると

書いておきながら、藤原定家の

和歌の話で、終わってしまったので

残りの2つは?ということで、

 

まずは、

西行法師の和歌・・・

 

西行っていうと、

願はくは 花の下にて

春死なん そのきさらぎの

望月のころ

という和歌が余りにも有名

なので、秋の夕暮れの和歌は

頭に浮かばないかもしれないが、

この和歌は古くから有名だったらしい。

 

本題に入ると、

こころなき身にも

哀れは知られけり

鴫(しぎ)立つ沢の

秋の夕暮れ

これも有名な和歌

 

(本来は武士であるので)

もののあわれなど解すべくもないが、

(出家した身となった)

今では、もののあわれも

分かってきて、

秋の夕暮れに、鴫の飛び立つ沢に

たつと、しみじみと、

もののあわれを感じるものだ

くらいの意味

 

だから、お茶席で

「鴫(しぎ)立沢」を

茶杓の銘とすることもできる。

 

この銘を使ったら、ああ

西行なんだな、

もののあわれを感じるんだな

と分からないといけない。

 

西行は、本名を佐藤則清

本来は平清盛などと一緒に

鳥羽院を警護した北面の武士で

宮中の高貴な女性と恋をして

出家したとされていて、

出家後は、和歌に傾注して

嵯峨東山や鞍馬に草庵をつくり

高野山に入ったり、鎌倉や

奥羽に旅立ったりして、

源頼朝、藤原秀衡と対面する

など歴史的にも、時代の

移り変わりを体験している。

いやはや凄い人だな。

 

古瀬戸茶入 裏千家鵬雲斎花押