変体仮名を読むときに難しいのは

元字となっている漢字の読みが

現代と異なっている場合である。

 

したがって、その崩しから元字が

分かっても、それを仮名として

読み取れないことになる。

 

3 中国語読み

 変体仮名の読みは中国語読みの影響で、

 現代の読み方と違いがでることがある。

 

 以前も書いたことがあるが、

 「者」の字の変体仮名は、  

と書くが、

 これはシャではなく、「は」と読む。

 この字は、「尓」の「に」と同じく

 助詞として、頻出である。

 

このほか「王」の文字は

 と書くが、

 これは 「ワンちゃん」なので、

 「わ」と読ませる。

 この字は、連綿で書かれると、「こ」

 字との見分けが難しい。

 

 同じく「春」の文字は、

 と書くが、

それは「す」と読ませる。

 

 それに「耳」の文字は、

 と書くが、

それはジではなく「に」と読ませる。

 

 

4 その他、元字の読みが難しいもの

   

  →読み「け」→元字「介」

  これは「やっけい」と覚える。

 

  

 →読み「け」→元字「気」

  これは気配の「け」と覚える。

 

  

 →読み「き」→元字「支」

 

 

 →読み「し」→元字「之」

   「し」の仮名は、文字を続けて書く

  連綿の場合、「ら」や「う」と

  見間違いやすい。

 

   

 →読み「た」→元字「堂」

  それはドウではなく「た」と読ませる。

  これは歴史的仮名遣いで「だう」と

  書くところから「た」と読むのかもしれない。

 

   

 →読み「つ」→元字「徒」

  それはトではなく「つ」と読ませるが、

  そういえば、徒然草では、「つ」と

  読むことから、この字は昔は

  そう読んでいたことが分かる。