監督・脚本 ジョージ・ミラー
脚本 ニコ・ラサウリス
撮影 サイモン・ダガン
編集 マーガレット・シクセル
音楽 ジャンキーXL
出演 アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・バーク
2024年度 製作国 オーストラリア/アメリカ 上映時間 2時間28分
マッドマックス シリーズの最高傑作「怒りのデス・ロード」に登場したフュリオサが、
イモータン・ジョー率いる武装集団の女戦士になるまでを描いた前日譚。
舞台が荒廃した砂漠と限定されているので、シリーズの定番である追跡アクションの
見せ場が、前作で出し尽くされた感があり、上映時間も20分伸びたことで、
贅肉の落としきれないストーリー展開で疾走感を欠いてしまい、
何よりも、違法改造車から整備されたスポーツカーに乗り換えたような、
荒々しさの欠けた野性味の無さで、狂気を秘めたカオスなカタルシスを得ることが出来ず、
満足できるレベルにはありますが、やはり前作越えのハードルは高かったようです。
私のお気に入りの女優アニャ・テイラー=ジョイが、若き日のフェリオサを演じると
あって、期待値は高かったのですが、シャーリーズ・セロンが演じたフェリオサが
持っていた哀愁が皆無で、まるでサイボーグか、マーベリックに登場するアベンジャーの
様な役柄だったので、フェリオサが持つ心の痛みに、感情移入する事が出来ませんでした。
監督のジョージ・ミラーは、イモータン・ジョーやウォーボーイズのニュークス等
を主役にしたスピンオフ作品の構想も持っているようですが、今回の作品を観る限り、
新たな広がりを見せるには無理があるのではないでしょうか。