ドキュメンタリー映画「本物のオッペンハイマー」 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

監督 プーラビ・ガエクワド

2023年度 上映時間 44分

 

「リアルオッペンハイマー」は、オッペンハイマーがマンハッタン計画を推進して、

広島と長崎に原爆を投下するまでの経緯と、その後罪の意識に苛まれて「今は私は死となり、

世界の破壊者となる」とヒンドゥー教のヴィッシュヌ神と自分を重ね合わせて、

赤狩りの対象となって公職追放されても、核軍縮を訴え続けた姿を、記録映像や

写真資料を基にして描いたドキュメンタリー映画で、ロシアによるウクライナ侵攻によって、

新たな核戦争の脅威が人類に圧し掛かっている状況に対して警鐘を鳴らしています。

残念なのは、アメリカ人の主観的な視点で捉えて、アメリカ自身が核戦争の主体であること

を蔑ろにしていることで、オッペンハイマーを魅力的なキャラクターでヒーローとまで

持ち上げてしまう終わり方では、オッペンハイマーもあの世で居た堪れない気持ちに

なっているのではないでしょうか。

今年の7月から「ダークナイト」のクリストファー・ノーランがオッペンハイマーを描いた

作品が公開されて世界中でヒットしていますが、被爆国である日本では、核の時代に導いた

オッペンハイマーに対する風当たりが強くて、今でも上映の目処が経っていないのが、

残念でなりません。

 

クリストファー・ノーランの「オッペンハイマー」アカデミー賞の最有力候補にあげられています。

 

 

 

 

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