アイドルとファンの許されない恋愛を、
それぞれの視点で交互に交錯させながら描いた作品で、
現役アイドルである著者だからこそ描ける、
アイドルと言う非日常の世界で生きていくことの喜びと、
それを維持していくことの難しさを、1人の私人に戻って、
客観的な視点で書き記されたノンフィクション・ノベルです。
アイドルとオタクの交際が発覚するエピソードから
書き急いだ感がありますが、彼女が日頃感じている思いが、
主人公のアイドル実々花を通して良く描けていて、
特に母親と将来について口論する「おはよ!!金曜日は頑張ろうね♡」の
エピソードは、彼女の今の心情が伝わってきて、一気に読ませます。
アイドルの処女作と言うフィルターを通して見てしまうので、
評価は甘めになりがちですが、1,500円出しても読む価値はある
珠玉の青春小説です。