名言 その2 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

唐十郎

劇作家、演出家、俳優

 

唐十郎の原風景で、芝居のモチーフにもなっている戦後の焼け跡。

家族は飢えに苦しみ、弟を栄養失調で亡くしたにも係わらず、

あの悲惨な時代に彼の発想の原点があるのは、

危機感のない時代にはニヒリズムが生まれるが、

カオスの時代にはリリシズムが生まれるからだと、私は思っています。

私が若い頃に、唐十郎がパーソナリティーを務めたラジオ番組「オールナイトニッポン」で、

その体験を表現した言葉が今でも記憶に留まっていて、

私の座右の銘になっています。

 

「荒んでいたけど、街にはメロディーが流れていた」

 

「飢えなきゃ美味いものが分からないし、

汚濁に塗れなきゃ美しいものが分からない」