監督 オットー・プレミンジャー
原作 フランソワーズ・サガン
脚本 アーサー・ローレンツ
撮影 ジョルジュ・ペリナール
編集 ヘルガ・クランストン
音楽 ジョルジュ・オーリック
出演 ジーン・セバーグ、デビッド・ニーブン、デボラ・カー、ミレーユ・ドモンジョ
1958年度 製作国 アメリカ/フランス 上映時間 1時間34分
フランスの作家フランソワーズ・サガンが18歳の時に発表した処女作
「悲しみよこんにちは」を、ハリウッドの異端児オットー・プレミンジャーが映画化、
ジャン・リュック・ゴダールやエリック・ロメールに絶賛された名作です。
主演のジーン・セバーグは、ベリーショートの髪型「セシルカット」が話題になり、
ゴダール自身が「悲しみよこんにちわ」の続編と位置付けるヌーヴェルバーグの
代表作「勝手にしやがれ」の出演オファーを受けて、世界的な名声を得ます。
思春期の少女の自由奔放さと危うさを重ね持った主人公セシルを演じた
セバーグ以外の役者も適役で、脂ギッシュで、近親相姦も厭わなそうな
女たらしの父親役デヴィッド・ニーブン、セシルの亡き母の友人で、父親から
結婚を申し込まれる聡明で堅実な女性役のデボラ・カー、そして、プレミンジャー
が「帰らざる河」で起用したマリリン・モンローを彷彿とさせる、父親の愛人役
ミレーユ・ドモンジョと、キャスティングが決定した時点で、本作の成功が
決定付けられた言っても過言ではなく、海、太陽、酒、煙草、ギャンブル、
ダンスホール、スポーツカー等が死の伏線となって、ラストシーンで
鏡の中にいる疲れ切った自分の姿に大人の影を見つけるセシルが流す涙に、
悲しみを集約させた手法は、ヌーヴェルバーグに繋がるエポックメイキングな
エンディングとして、語り継がれて行くことでしょう。
ジュリエット・グレコの「悲しみよこんにちわ」
ジュリエット・グレコが出演した場面