アンジェリカの微笑み(マノエル・デ・オリヴェイラ監督作品) | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

監督・脚本 マノエル・デ・オリヴェイラ
撮影 サビーヌ・ランスラン
美術 クリスティアン・マルティ、ジョゼ・ペドロ・ペーニャ
編集 ヴァレリー・ロワズルー
衣裳 アデライド・マリア・トレパ
音楽 ショパン ピアノ・ソナタ

リカルド・トレパ、ピラール・ロペス・デ・アジャラ、レオノール・シルヴェイラ

2010年度 製作国  ポルトガル/スペイン/フランス/ブラジル 上映時間 1時間37分

 

故マノエル・ド・オリヴェイラ監督が101歳の時に撮った本作は、

夭折した女性に恋をして、魂を合体させて純粋な本質に変化する青年の姿を通して、

昔ながらの畑を鍬で耕す農夫の姿や、変わりゆく街並みを見つめる視線に、

失われていくものに対する哀愁を漂わせながら、

宇宙の状態と切り離しては考えられない地球の現在を憂い、

見えない世界と対峙する老人監督の遺言と言える夢想に、

人として存在する意味を考えさせられる作品です。