スマホを捨てよ町へ出よう 監視資本主義社会 デジタル社会がもたらす光と影 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

 

監督・脚本 ジェフ・オーロースキー

撮影 ジョン・ベーレンズ、ジョナサン・ポープ

脚本 ビッキ・カーティス

脚本・編集 デイビス・ク―ム

出演(ドラマ部分) スカイラー・ギソンド、カーラ・ヘイワード、ビンセント・カーシーザー

Netflixオリジナルドキュメンタリー映画

2020年度 製作国 アメリカ 上映時間 1時間34分

 

 

顧客をユーザーと呼ぶ業界は二つだけ。違法薬物とソフトウェアだ(エドワード・タフティ)

 

ソーシャルメデアは麻薬よ。

人は他の人と繋がりたいという基本欲求があり、欲求はドーパミンの分泌に直結している。

人類の数百万年の進化は、その仕組みが基にある。

共同体の中で生活して、パートナーを探し繁殖する。

人を繋げることに最適化されたソーシャルメデアが中毒を招くのは当然よ。

(スタンフォード大学 アンナ・レンケ博士)

 

GoogleやFacebookのように、ユーザーから得た大量のデーターを基にAIを使って

行動パターンを分析し、その情報を広告主に提供して収益を得ることを監視資本主義と言い、

石油や穀物の先物取引のように人を取引する事で兆単位の収益を生み出して、

人類史上最も成功した企業になりました。

今では20億もの人が、Googleのデザイナーによって行動を左右されてしまうことで、

倫理的な問題が問われるようになり、人間関係をオンラインに優先させることで、

所属感や意思疎通の方法がSNSの操作によって決まってしまう世代を生んでしまいました。

SNSは国境を越えて世界中の人々と交流できる等素晴らしい役割も果たしてきましたが、

これら独自に発展したSNSは予想と違う使い方をされて、アメリカでは白人至上主義が拡散、

インドではフェイクニュースが原因で多数の死傷者を出しています。

特に政府や悪意ある集団による世論操作によって、ミャンマーのロヒンギャではイスラム系

少数民族に対する大量虐殺やレイプを含む人権問題が起こり、70万人の難民を生みました。

本作は、元グーグルの倫理デザイナーでシリコンバレーの良心と称賛されている技術倫理研究所

共同設立者トリスタン・ハリスを中心に、Facebookの元成長戦略部長や「いいね!」の発明に

関わったエンジニア、倫理的な悩みでグーグルを退職した元社員、Twitterの元エンジニア

リング執行役員、コンピューター工学者で仮想現実の創始者等のインタビューを通して、

SNSの隠された顔が暴かれ、真実は何か(AIも答えられない)の共通認識を持てなくなり、

社会の2極化構造を生んでしまったSNSの暴走を止めるためには、そのテクノロジーを

生み出したものが、責任を認めて対処できるかどうかを問うています。

テック業界に関わる人が共通して憂いているのは、未来を担う子供たちにSNSの規制が

無い事です。

幻想にすぎない完璧さを求め、自分の人生を編集する。

“いいね”などで短期的な報酬を得られるから、“いいね”を価値や真実と勘違いする。

そんな子供たちをSNSの束縛から解放して、世論操作されない社会を取り戻すために、

仮想現実の創始者も反省を込めて、最後に視聴者に訴えかけます。

 

「世界は美しい。外に出よう!」

 

 

病的なスマホ中毒者(画像)より

出典:

 


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