監督・脚本 サム・メンデス
脚本 クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
撮影 ロジャー・ディーキンス
編集 リー・スミス
音楽 トーマス・ニューマン
出演 ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、マーク・ストロング、
リチャード・マッデン、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ
2019年度 製作国 イギリス/アメリカ 上映時間 1時間59分
将軍から受けた重要な指令を伝えるために、最前線に向かうことになった二人の若き兵士の
命懸けの道行きを、全編ワンカットの映像で描いた本作は、さながらテーマパークの
アトラクションを楽しんでいるような趣があり、観客が兵士に同行して死の恐怖を共有する効果を
上げるのに成功しています。
これだけの映像を作り出すためには、撮影前にアニメ並みの完璧な設計図が必要で、
NGが許されない本番での撮影に臨むスタッフ、キャストの緊張感は、戦場のリアルな空気を
生み出す効果に繋がったと思います。
最先端のテクノロジーを駆使して映像化が可能になった本作ですが、ワンカットで見せることへの
拘りで映像表現やストーリーが制約を受けて単調になったことは否めず、新しい見せ方の作品
〈次に来る究極のワンカット映画は、24(TWENTY FOUR)のようにリアルタイムで進行する〉が
登場すれば鮮度を失い、特殊効果に特化した映画のひとつとして、 一括りで評価されることに
なるでしょう。