アメリカ映画の新しい才能サフディ兄弟の「グッド・タイム」と「アンカット・ダイヤモンド」を観ました。
どちらの作品も、自ら招いた危機から脱するために東奔西走するが、やる事なす事悉く
上手くいかず、袋小路へと追い詰められていく男の不安と焦燥を描いていますが、
男の駄目っぷりが滑稽で失笑を誘い、サスペンスとブラックコメディーが表裏一体となった
斬新でユニークな作品になっています。
特に「アンカット・ダイヤモンド」の主人公をコメディアンのアダム・サンドラーが演じているので
その傾向が強く、「グッド・タイム」よりもインディーズ臭が薄められて、エンタメの要素も
加味されています。エネルギッシュで荒々しい映像と音楽が融合して、猥雑で殺伐としたカオスな
世界と主人公の心理状態を巧みにリンクさせているので、観客は終始不安と緊張を強いられ
ますが、鑑賞後は映画から解放された安堵と新しい感性に出会えた喜びで、カタルシスに
浸っている事でしょう。
「アンカット・ダイヤモンド」は、「ローマ」「アイリッシュマン」「マリッジ・ストーリー」と次々と秀作を
世に送り出しているネットフリックスのオリジナル作品で、日本では劇場公開に先立って
昨日から配信されています。衝撃のラストシーンは必見です。お見逃しなく!
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