エイリアン コヴェナント(リドリー・スコット監督作品) | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

監督 リドリー・スコット

脚本 マイケル・グリーン、ジョン・ローガン、ジャック・バクレン

撮影 ダリウス・ウォルスキー

編集 ピエトロ・スカリア

音楽 ジェッド・カーゼル

出演 マイケル・ファスベンダー、キャサリン・ウォーターストン、ガイ・ピアース、

    ダニー・マクブライド、デミアン・ビチル

2017年 アメリカ

 

本作は、「エイリアン」の前日譚として製作された「プロメテウス」の続編で、引き続き

リドリー・スコット監督がメガホンを取っています。

「プロメテウス」は、1作目の「エイリアン」で死骸となって登場する巨大な異星人(スペース・

ジョッキー)の謎を中心に描かれていて、エイリアンと人類の死闘を描いた全4作とは趣の違う、

スピンオフ的な作品に仕上がっていましたが、本作では、エイリアン・エッグ、フェイスハガー

(顔に張り付いて、エイリアンの胎児を体内に寄生する)、チェストバスター(体内で成長した

ベビーエイリアンで、宿主の胸を突き破って体内から出てくる)と、お馴染みのエイリアンが

変体していく過程や、血に飢えたエイリアンの恐怖がスリリングに活写されて、1作目へ繋ぐための

大きな軌道修正が行われています。残念なのは、エポックメイキングな作品を作るリスクを

避けた、興行優先ありきのアトラクション映画に仕上がっていて、リドリー・スコット監督は、

「エイリアン」で得た名声を、「エイリアン」で失うことになりそうです。

 

 

前日譚は、もう1作が製作されて3部作になるようですが、「プロメテウス」で生き残った

女性考古学者(ノオミ・パラス)とアンドロイド(マイケル・ファスベンダー)が、新たな謎を

究明するために、次の目的地に旅立つところで本作に引き継がれるはずでしたが、

ノオミ・パラスが出演できなかったことで脚本が書き直されたのか、「プロメテウス」の続編としても

未消化なまま終わっているので、「エイリアン」への橋渡しになる最終章の脚本を纏め上げるには、

かなりの発想力が必要(1章と2章の脚本家が違うことから、最終章も新たな脚本家が参加する

とみられる)になってくるでしょう。

 


全般ランキング