危機管理の限界 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

東北関東大震災で発生した10mを超える大津波を想定しなかった
東京電力の原発に対する危機管理能力を問う意見が多数ネットに
寄せられていますが、想定内の津波を考えろというなら、
明治以降に三陸沖地震で起きた最大の津波の高さ38・2m
(世界最大の津波は、アラスカのリツヤ湾の津波で525m)にも
絶えられるような建造物を作らなければならないことになり、
資金的にも技術的にも、それは現実的な事とは言えないでしょう。
それでは、原発を作らなければいいのではという事になるのですが、
飛行機や鉄道、自動車等の交通手段、医療技術、犯罪、テロ、
ウィルスなどこの世の中でリスクゼロのものなんて存在しません。
日本が原発に発電電力量の35%(平成21年度)を依存しているのは、
二酸化炭素を排出しない(地球温暖化防止)、石油依存からの脱却
(エネルギー資源の99%を輸入に依存している)、大量の電力を安定的に
供給できる、エネルギーコストを抑えられる等のメリットがあるからで、
それらを無視して、原子力に替わる代替エネルギーについての
議論もせずに、ただ危険だという感情論だけで、原発をいきなり
廃炉にしてしまえという意見の方が、私は危険だと思います。
これから考えることは、今回の事故の教訓を踏まえて、
私たちは、いかに原発と向き合って生きていくかを考える事で、
今は何よりも政府や東電の対応を批判するのではなく、
日々危険と隣りあわせで作業をしている作業員たちを信頼して、
一日も早い原発の復旧を願う事ではないでしょうか。

人気ブログランキング