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人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう


人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

監督 デビッド・フィンチャー

原作 ベン・メズリック

脚本 アーロン・ソーキン

撮影 ジェフ・クローネンウェス

出演 ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィルド

2010年 アメリカ


世界最大のSNS『facebook』創設を巡る訴訟から明らかにされる、

現CEOマーク・ザッカーバーグの人間性を浮き彫りにした作品。

戯曲で名声を博した脚本家アーロン・ソーキンの緻密でオーソドックスな

ダイアローグ劇を、映像派でダークな世界を得意とするデビッド・フィンチャーが

監督していることが意外で、サム・メンデスかスティーヴン・ダルドリーに

撮らせたいシナリオです。


睡眠不足と館内の暖房が効き過ぎていた所為で、何度も睡魔に襲われ、

古くなって切れたフィルムを繋ぎあわせた映画のように、内容が繋がらないまま、

映像を断片的にしか記憶していないので、レビューを書く事ことを憚れますが、

多分、期待していたほどの出来ではなかったので、体が正直に反応したのだと思います。

体調の良い時に再見すれば面白さが分かるかもしれないので、

もう一度、劇場に足を運ぶつもりです。


本作で描かれるマーク・ザッカーバーグは、恋人から『最低の性格』と

罵倒された腹癒せに、彼女の悪口をブログで書き殴るようなオタク野郎で、

世界最大のSNS『facebook』の創設者としてアメリカン・ドリームを体現したヒーローの

風格など微塵もありません。

ファーストシーンと繋がる皮肉が効いたラストシーンで、マーク・ザッカーバーグが

仮想空間で心をつかんだ5億人は、リアルな友人ひとりとの関係にも及ばない、

ただの数字に過ぎないと言うことが見えてきます。

現存する彼が、観客の共感を呼ぶことのできないアンチヒーローとして

描かれていることに対して、現在までクレームを入れていない事の

寛容さだけは評価したいと思います。


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