皆さんご機嫌いかがでしょうか?

43才Mrガチぼっちの「ありのこ」です。

 

今回はミステリー小説(推理小説)のレビューです。

 

今回取り上げる作品は

 

島田荘司(しまだそうじ)「改訂完全版 斜め屋敷の犯罪」

 

です。

 

ネタバレなしなので、ご安心ください。

 

<もくじ>

 

・アマゾンにおける「改訂完全版 斜め屋敷の犯罪」の説明

・「占星術殺人事件」から続く名探偵・御手洗潔

・「占星術殺人事件」から続くメガトン級の大掛かりなトリック

・「硝子の塔の殺人」へと続く「斜め屋敷の犯罪」

・とにかく3冊読め!

 

○アマゾンにおける「改訂完全版 斜め屋敷の犯罪」の説明

 

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館―通称「斜め屋敷」。

雪降る聖夜にこの奇妙な館でパーティが開かれたが、翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。

人々が恐慌を来す中、さらに続く惨劇。

御手洗潔は謎をどう解くのか!?

日本ミステリー界を変えた傑作が、大幅加筆の改訂完全版となって登場! 

 

 

 

 

○「占星術殺人事件」から続く名探偵・御手洗潔

 

島田荘司先生は1981年「占星術殺人事件」でデビューしました。

この「占星術殺人事件」で名探偵・御手洗潔(みたらしきよし)もデビューしています。

 

 

 

 

「占星術殺人事件」では御手洗潔は序盤から登場します。

御手洗潔は天才型の名探偵なのですが、事件の謎を解くのは「ズバッ」とはいきません。

 

「ズバッと解決すると長編として成り立たない」=「ページ数が足りなくなる」という事情があるのでしょう。

 

だからと言ってダラダラ時間をかけると「ヘボ探偵じゃないか!」となってしまう。

 

 

⇑「名探偵がいるのにいったい何人死んでいるんですか?」問題⇑

 

 

「占星術殺人事件」では

 

「日本中を40年間悩ませ続けたものすごい謎」+「御手洗潔がうつ状態」⇒すぐにズバッと解決できなくてもしょうがない

 

という形にしているように見えます。

 

他方、「斜め屋敷の犯罪」は名探偵・御手洗潔をすぐに登場させません。

北海道で事件が起こりますが地元の警察が手に負えなくなってから、名探偵・御手洗潔が登場します。

 

300ページを超えてから御手洗潔を登場させます。(物語の終了は466ページ)

 

御手洗潔の登場を遅くすることで、長編でありながら「御手洗潔=名探偵」であることを成立させています。

 

○「占星術殺人事件」から続くメガトン級の大掛かりなトリック

 

「占星術殺人事件」では「40年間も日本中をだました大掛かりなトリック」がものすごく印象的です。

 

「改訂完全版 斜め屋敷の犯罪」のあとがきは綾辻行人(あやつじゆきと)先生が書いています。

 

綾辻行人先生は「占星術殺人事件」を読んだ当時の感想を次のように書いています。

 

こんなスゴイトリックを思いついて、こんな凄い形でそれを作品化してしまって・・・

この島田荘司という新人作家には次があるのだろうか?(綾辻行人先生による「改訂完全版 斜め屋敷の犯罪」のあとがき)

 

しかし次があったのです。

 

1981年「占星術殺人事件」に続いて、1982年「斜め屋敷の犯罪」が出版されます。

名探偵・御手洗潔だけではなく、「大掛かりなトリックが大きな幹になっている」ことも「占星術殺人事件」から引き継がれます。

 

「よくまあこんなスゴイトリックを思いつくなぁ」と感心しました。

(実は改訂完全版が出版される前の西暦2000年頃に「占星術殺人事件」も「斜め屋敷の犯罪」も読んでいます。

2冊とも2度読んでも本当に感心する本格ミステリーです)

 

○「硝子の塔の殺人」へと続く「斜め屋敷の犯罪」

 

知念侑李(ちねんみきと)先生の作品「硝子の塔の殺人」。

 

んー、島田荘司先生の「斜め屋敷の犯罪」に影響を受けてますよねぇ。

タイトルを見るだけで「影響を受けている」としか思えません。

 

「硝子の塔の殺人」の帯を書いているのは綾辻行人先生&島田荘司先生。

 

しかしも島田荘司先生は「硝子の塔の殺人」のあとがきまで書いています。

 

どう考えても影響されています。

 

1982年「斜め屋敷の犯罪」が出版される。

2021年「硝子の塔の殺人」が出版される。

 

約40年の間を経て別のミステリー作品に影響が残る、それだけ「斜め屋敷の犯罪」はスゴイ作品です。

 

○とにかく3冊読め!

 

「占星術殺人事件」を読んで面白かったら「斜め屋敷の犯罪」を読みましょう!

もちろん、今は「改訂完全版」がありますのでそちらを。

 

「斜め屋敷の犯罪」を読んで面白かったら「占星術殺人事件」を読みましょう!

もちろん、今は「改訂完全版」がありますのでそちらを。

 

昔「占星術殺人事件」や「斜め屋敷の犯罪」を読んで感動したミステリーファンの方。

改訂完全版を読んでなかったら、ぜひ読みましょう!

 

「硝子の塔の殺人」を読んで面白いと思った方、「改訂完全版 斜め屋敷の犯罪」を読みましょう!

「改訂完全版 斜め屋敷の犯罪」が面白かったら「改訂完全版 占星術殺人事件」を読みましょう!

 

いろいろ長々と書いてしまいました。

 

結論は

 

「改訂完全版 占星術殺人事件」

「改訂完全版 斜め屋敷の犯罪」

「硝子の塔の殺人」

 

の3冊を読もうぜ!

 

ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

◎あわせて読みたい~島田荘司「占星術殺人事件」の悲劇

 

「3冊読もうぜ!」のうちの1冊、「占星術殺人事件」についてブログ記事を書いています。

 

不朽の名作「占星術殺人事件」を襲った2つの悲劇とは!?

 

興味があれば、お読みください。

こちらのブログ記事もネタバレなしとなっています。