前橋の広瀬川沿いを歩く 旅(伊藤信吉) 風が草にそよいで消える 波が渚にさわいで崩れる 私は手を振る いたるところの旅で別れの手を振る ふたたびここの土地と海をたずねることがあるか ふたたびここの言葉と唄を聴くことがあるか 前後に揺れる時間の起き伏し 行手にくねり後ろにゆがむおぼろな道 見えぬ何ものかが別れを言う 見えぬ何ものかが別れを告げる 訣別の思いで綴る 私の旅、私の歌、私の旅の日の暮れ。 2023.10.7