神奈川県川崎市の天台宗影向寺は、彼岸中日に国指定重要文化財である薬師三尊を収めた収蔵庫が開扉される。

併せて国指定重要文化財である薬師堂も彼岸中日に開堂し、堂内に入ってお参りができる。

 

収蔵庫内には薬師三尊の他、体内仏がガラスケースに入って、また薬師三尊の周囲にも文化財の天部像があり、ガラス越しではあるもののお参りの人が足を止め拝観するに足りる仏像群となっている。

天部像は十二神将と四天王の内残った二天と思われる。

 

その他にも県の文化財として、厨子(薬師堂内の宮殿のことか?)、手水石、石灯籠などがある。

また影向寺自体が国の史跡となっている。

 

十月第二日曜日は縁日で、本来ならば川崎市文化財の聖徳太子像も開扉されるのだが、今年はお直しに出ているため聖徳太子像の開扉は無いとのことであった。

 

住職は天台宗神奈川教区の所長を兼務されるようになったとのことで、今後もしかしたら御朱印等の対応が書置きの日なども出てくるかもしれない。

 

昨年の十二年に一度の稲毛七薬師ご開扉では、七つの寺院全てが書置きの御朱印であった。

コロナ以降、感染対策として書置きの授与が基本になっているところが増えているようにも感じる。

その意味では、必ずしも御朱印帳に書いてもらう事にこだわる必要はないと私は思う。

 

影向寺の薬師三尊は、目黒大圓寺の清凉寺式生身釈迦如来立像や、三浦半島の浄楽寺運慶仏らと同じように、もとは国宝であった。

GHQの緊縮財政で国宝から重文になったものの一つである。

影向寺では国宝復帰署名活動を行っており、正月や彼岸中日、縁日などの重文薬師三尊が開扉される日などに、署名用紙が出ている。賛同される方は、是非お参りとともに署名に参加していただくと、寺院側の寺檀も喜ぶ事だろう。

 

 

山門

 

薬師堂文化財表示

 

薬師堂

 

「影向寺」扁額

 

「威徳山」扁額

 

文化財掲示板

 

薬師三尊・天部像文化財表示

 

収蔵庫

 

薬師如来・月光菩薩

 

薬師如来・日光菩薩

 

手水石

 

石灯籠1

 

石灯籠2

 

 

基本情報
宗  派:天台宗
山号寺号:威徳山影向寺
住  所:川崎市宮前区野川本町3-4-4
電話番号:044-766-7932
文化財開扉:正月三ヶ日、春秋彼岸中日、縁日(10月第2日曜日)
御朱印:有り。(稲毛七薬師)300円。
写真撮影:不明。禁止の貼紙等無かったため撮影させていただいた。

文化財の一部が白黒で写真掲載された「古刹影向寺」が客殿入口で購入可能。定価2000円となっているが、昨年の稲毛七薬師開扉の時は500円で購入できた。
拝観料:志納。

 

 

公式ホームページ