9月12日、調布市の京王線飛田給駅徒歩3分程度の場所にある、飛田給薬師堂の例祭に参詣させていただいた。

人でにぎわう夜を避け、日中にうかがったが役員の方々が昼食を摂っている最中で大変恐縮した。

 

役員の方が気を使って「どうぞ」と、お堂の中に入って拝観させていただけた。

文化財の指定書の写真も掲載されたしおりを頂戴し、飛田給薬師堂の歴史について色々と説明してくださった。

 

文化財の石造瑠璃光薬師如来立像は、かつては境内に祀られていたが、現在はお堂の中に祀られている。

成人した人並みの大きさがあり、石仏であることを考えると、かなりしっかりした造りのお堂なのだろうと思った。

尊像は関東大震災の時に首が折れるといった罹災があったが、修復されて現在に至っている。

東日本の時にはお堂も尊像も無事だったとのこと。

 

また境内には行人塚という尊像の造立者で、医業を営む傍ら薬師信仰を広めた意仙という人の人骨を納めた墓所に代わるものがあり、京王線で一つ先の駅になる西調布駅から徒歩3分程度の場所にある西光寺という天台宗寺院の過去帳の十二日の欄に、元禄十五年正月に「松前意仙庵 医師」との記述があり、石造瑠璃光薬師如来立像を彫刻・完成後に薬師如来の縁日である十二日を選んで入定したという。

昭和47年の改修の折、土中より意仙と思われる遺骨が発見され、調布市の文化財専門委員会が視察・調査に入り、土中入定の伝説とほぼ一致していることが確認され、行人塚も調布市文化財に指定された。

 

薬師にかかわる和讃が三首伝わっており、コロナ前はご婦人らによって毎月十二日に和讃会が行われ、和讃と念仏が称えられたという。

 

私は由緒ある大きな寺院も好きだが、こうした地域に伝わる伝承・信仰や文化も大好きである。

話を聞けば聞くほど、石造瑠璃光薬師如来立像に合掌し頭を垂れたくなる。

もう少し遅い時間に来ると、僧侶が見え般若心経などを称えることができるという。

併せてご婦人らによる和讃も。

そして夕方以降に露店なども出てお祭りのようになるという。

 

町内会の人たちは護持の為に、皆さん準備だけではなく、資金も出資されているようであった。

私はご挨拶代わりとして1000円だけ納めさせていただいたが、護符とタオルを頂戴しかえって申し訳なく思えた。

 

来年は僧侶が見えお経を称える時間に再訪したいと思った。

 

 

飛田給薬師堂全景

 

手水舎

 

石仏

 

庚申塔

 

行人塚掲示板

 

行人塚

 

薬師堂

 

石造瑠璃光薬師如来立像掲示板

 

石造瑠璃光薬師如来立像

 

 

基本情報
宗  派:町内会(護持会)管理
山号寺号:飛田給薬師堂
住  所:調布市飛田給1丁目25
電話番号:連絡先は調布市郷土博物館(042-481-7656)
文化財開扉:コロナ前は毎月12日。例祭は本年4年ぶりに開催、9月12日。
午前中から役員による準備、役員昼食、14時から法要、終了後和讃、夜間に祭事。
御朱印:無し
写真撮影:不明(境内・尊像と、お祭り前なので撮影させていただいた。)
拝観料:志納

 

 

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調布市ホームページ 飛田給「石造瑠璃光薬師如来立像」

 

調布市ホームページ 飛田給薬師堂境内「行人塚」