8月16日は九品仏浄真寺の、年に一度の宝物虫干の日である。

奉奠される宝物は、原則軸物が中心で毎年奉奠するものが変わり、数年かけて一通りの寺宝の虫干が完了するかたちである。

 

また現在、九品仏浄真寺では2014年から2034年までの20年をかけて、いずれ起こると云われる首都直下型地震等に備え、諸堂の耐震改修及び文化財(釈迦如来像と九体の阿弥陀如来像)の修繕を行っている。

この間に大勧進を募っており、勧進者名を阿弥陀如来の台座下に奉納し永代その名を遺すといった取り組みもしている。

 

このため今回のお参りでは中品堂が耐震改修のためお参りできず、下品堂では中央の阿弥陀如来像が修繕中であり、九体のうちお参りできた阿弥陀如来坐像は五体であった。

九品の阿弥陀如来坐像は全て東京都の文化財になっているが、併せて龍護殿(本堂)の釈迦如来坐像も東京都の文化財になっている。

いずれも大仏といってもよいほどの大きさで迫力がある。

特に軸物の寺宝に関心がないのであれば、行事のないときにお参りするほうがゆっくりとできる。

宝物虫干は施餓鬼会と合わせて行われるので、宝物の奉奠される龍護殿(本堂)内は椅子席が設けられ、檀信徒が多くお参りされている。塔婆供養も一体ずつ読み上げ供養するため、終了後の法話も含め法要自体がかなり長時間である。

 

大修繕終了までの約10年、毎年お参りし修繕前の仏像と修繕後の仏像をビフォアー・アフターで鑑賞するのも楽しみの一つになりそうだ。

勧進については自分の名前だけではなく、自分の大切な人の名前でも可能なので、修繕の仏像を選んでタイミングよく行うのもよいだろう。(現在は下品上生阿弥陀如来坐像の勧進中)

 

また無償の配布物も多く、公式ホームページやYouTubeチャンネルも含め九品仏浄真寺の理解を深めることができる。

境内は商用利用、他者の撮影、法要中の撮影など(細かいルールはホームページ参照)を除き、基本的に諸堂・仏像類ともに写真撮影が可能であり、御朱印や配布物と合わせ参詣の思い出を増やすことができる。

「東京都の文化財」にも全ての文化財の写真は掲載されておらず省略されているので、希望のある人はルールを順守したうえで仏像群も写真に収めると良いだろう。

 

アナウンスもあるが東急大井町線利用の際は、駅のホームが小さいため上下線とも端の1両はドアが開かないので注意されたい。

 

総門

山門

龍護殿(本堂)

龍護殿(本堂)内陣・釈迦如来坐像

中品堂(耐震改修中)

上品上生阿弥陀如来

上品下生阿弥陀如来

下品中生阿弥陀如来(修繕後)

下品下生阿弥陀如来

配布物(阿弥陀堂)

配布物(龍護殿・閻魔堂・開山堂)

文化財カード・散華ほか

 

基本情報
宗  派:浄土宗
山号寺号:九品山唯在念佛院淨眞寺
住  所:世田谷区奥沢7丁目41-3
電話番号:03-3701-2029(9:00~16:00)
文化財開扉:常時・開門時間 6:00~16:30

     (但し現在、お堂の耐震改修及び尊像のお直しのため、阿弥陀仏座像は九体全てを拝観することはできない状況)
御朱印:有り(九品仏と五劫思惟の他、勧進期間中の金紙勧進御朱印二種類)
写真撮影:可(但し商用利用の為の撮影、他の参詣者の撮影、法要・祈願・供養の最中等の撮影は禁止。)
拝観料:志納


公式ホームページ