最愛の大地 | 「心とお金の言霊コーチ」佐藤文香のブログ

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アンジェリーナ・ジョリーの初長編監督作品です。
人道支援活動をしている彼女ならではの映画といえるでしょう。

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最愛の大地

原題はIN THE LAND OF BLOOD AND HONEY

直訳すると『血と蜜の大地で』となるでしょうか。
でもこんな単純な言葉だけでは表せない大きな意味が込められたタイトルだと思います。


舞台は1990年代始めのボスニア・ヘルツェゴビナ。

この時代はゴルバチョフのペレストロイカから始まって、ベルリンの壁が崩壊し、社会主義国が次々と倒れ、ついでにいえば天安門事件が起きて、世界が“民主化”へと大きく変わっていった時代です。

しかしその中でたくさんの血も流れました。
旧ユーゴスラビアはとくにそうです。ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争は、ヨーロッパにおいては第二次大戦後最悪の紛争だったといわれています。

この映画を理解するには、そのあたりの歴史については、ちょっとでもネットなどで知っておくといいと思います。以下にウィキペディアのリンクを張っておきます。

ユーゴスラビア紛争について
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争について

コソボの内戦もかなり深刻ですが、こうやってみると旧ユーゴの国々の独立はほとんどが民族紛争の後だったというのが改めて分かりますね。


さて、こうやってボスニア・ヘルツェゴビナ紛争をはじめ旧ユーゴの内戦を見てみれば、“Land of Blood And Honey”の意味の深さ、重さも見えてくるのではないでしょうか。

Bloodは当然、内戦によって流された血を表しているのだと思いますが、その土地に脈々とつながれてきた民族の血筋という意味も込められているでしょう。

Honey甘美なもの、最愛の人などを指す時にも使われますが、生まれ育った土地は自分たちにとって最も大切な、最愛のものです。

旧ユーゴに生まれ育ったどの民族の人たちも、内戦の時代は“Land of Blood And Honey”をいろんな意味で日々実感して生きていたのだと思います。

今まで同じ土地で仲良く暮らしていた人たちが、民族が違うというだけで殺し合いを始める。
そんな血みどろの争いをしているところから飛行機でほんの数十分離れた西側の隣国は、世界中から観光客が押し寄せ、華やかで幸せな時間が流れているという、ギャップ。

なんか、不条理だなあ、とすごく思ってしまいますが、そんな言葉で片付けてはいけないものをつきつける、重厚な映画でした。