アマプラで映画視聴173作品目は「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」でした。個人的レーティングは8.5/10です。やっとアマゾンプライムに来ました。公開年からずっと待ってました。なら映画館行くか、レンタルしろよって話ですが、待つのもまた楽しいのです(笑)
1933年、ヒトラーに取材した経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズには、大いなる疑問があった。世界恐慌の嵐が吹き荒れるなか、なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。その謎を解くために単身モスクワを訪れたジョーンズは、外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、すべての答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む。やがて凍てつくウクライナの地を踏んだジョーンズが目の当たりにしたのは、想像を絶する悪夢のような光景だった……。(C) FILM PRODUKCJA - PARKHURST - KINOROB - JONES BOY FILM - KRAKOW FESTIVAL OFFICE - STUDIO PRODUKCYJNE ORKA - KINO SWIAT - SILESIA FILM INSTITUTE IN KATOWICE
スターリン下のソ連を取材して告発したガレス・ジョーンズという実在の記者の活躍を映画化したものです。この映画は公開当初から話題作で注目をしてました。現在を生きる我々にとってはスターリンというのはヒットラーと並ぶ世界史に残る悪人として有名だしそのことは周知のことなわけですが、そのことはスターリンの死後の認識であり、第二次世界大戦直前の世界ではスターリンは当時の欧州において目覚ましい「進歩」をとげる尊敬の念をもたれる人物として受け止められています。事実映画にもでてくるニューヨーク・タイムズのモスクワ支局長ウォルター・デュランティはソ連とスターリンの持ち上げでピューリッツァー賞を次々と獲得しています。疑問をもったら調べて報道せずにはいられないガレスはソ連にはいり、その後ウクライナに乗り込み、スターリンの経済成長の源泉がウクライナからの圧倒的収奪にあったことを知ります。すべてを収奪され食料がなくなり、人々が死んでいく、ウクライナの様子を知りそれを告発します。同時にこの物語は「大義」の前に個々人の命や尊厳が踏みにじられることの危険性の告発でもあります。理想の「社会主義」の建設のために個人が犠牲にされることは「お国のために」といって命が蔑ろにされたことはまったく同じですよね。社会がおかしな方向にいかないように民衆の「監視」がより必要だと思う今日この頃です。