方便という言葉が確かミーンズと訳されて、いたような…
"目的にならなくても、方便になればいいじゃないか"
(この小文を書き始めながら、そういえばあの主人公は一体何に乾き、のたうっていたのか理解していない自分に気付きました。そして、ました、を綴った瞬間に、
彼が懊悩しているものを説明するために、「行人」という一冊の書物が必要なのだと分かりました)
goal。目的。
私はずっと、ずーっと書くことがgoalで目的でした。
カタカタが好きで、キイに触っていたかった。寝返りが打てるようになった赤ん坊が、カーペットのささくれをいつまでももてあそんでいるような感覚です。文字が私の指に残す感覚と、私の感覚が紙に残す状況が同時に好きだった、それだけです。
書くことの先になんもモトメチャいなかったのです。
言葉はおもちゃで、
何でも作れて
何でもできる。
ほとんど世界と同じ重さを持っている。
すべての書く人は言葉の結果を夢想していなくては。あるいは、している人が勝ち残りかつ虐げかつ虐げられるのです。私はそのどれでもない。箱。カラバコ。段ボール箱なのさ。
書くことが目的になってはいけない。書くことによって起こることが目的にならなくてはいけないのだ。