良いことなんだがヤなことなんだ。 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

先ほど、回覧板を回しに近所のお宅に行ったらば。

出てきたお婆さんに
「⚪⚪ちゃん(←義父のこと。)げの嫁さんかあ。」

と言われました。
⚪⚪ちゃんげの嫁さん。

ちなみに「げ」とはこの辺りのことばで「~の家」と言う意味です。

家と言うのは大切です。夫を育ててくれた環境です。代々続いて来たものです。先々へ伝えていかなくては成らないものです。


だからってなんだって
やなもんは嫌だ。

この
「誰誰んとこの嫁」
と言う言い方は生前父が最も忌み嫌った言葉で、
私がそんな呼ばれ方をされてれいると知ったら、きっと猛り狂っただろう。

男女は平等で結婚は当人同士の意思に依るものだから家は関係ない


「家の嫁」
ではなく
「人の妻」
になれ

と言うのが、人権教育を仕事にしていた父の信条でした。

先祖だの親だのを大切にしなければならない、と言うのは、まあ納得できる。

だが私は森本家の為に嫁いだのではない、

森本家なんか知らん、
どんなものよりも優先して
私は夫の妻だ。

と、言うことを理解できる人なんてこの村には一人も居ません。
日本中探しても、まだ何人居るか、て所でしょう。
墓の下から父の白い骨がざりざり怒ってる音が響いてきそうです。

まだそんな程度か、と。