小説「雲居」 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

始終雨ばかり降るこの町で十五夜もなにも無い。

私は雲のあちら側から何かの意地のように照っている月を見て、酒でもカイニイコウカ迷っている。

月を見ると言うほど月は見えない。しのしのとやる気の無い雨が降っている、本当に、傘をさす必用もないほどやるせない雨なのだ。

私は傘をを持たずに、
いっそ目的すら持たずに家を出る。雨は私を打ちもしない、やるせなく、ただ、けぶっている。

雲居の月は果たして其処に存在するだろうか、今時LEDrightを工夫すればこのくらいの悪戯は難なくやってのけられるだろう、それをしようとする熱意が有るのなら。

あの月は、誰とも知れない天才が目論みた秀麗な嫌がらせかもしれない。

其処に月はあるのだと

私に対する嫌がらせかもしれない、
そんなところに月は出ていないのだ。

私は目的を持たずに夜道を歩く。湖水の底の泥みたいな道だ。

月だってウソっぱちかもしれないのだ、私の存在を証明する方法なんて、この映えた体だけでは不十分にも酷すぎる。