だからといって眼鏡の度を直したのは馬鹿馬鹿しい気もした。しかし眼鏡の度が合っていなくて肩凝りしていたというのも確かだった。
私は眼鏡が似合わない。流行の型になるほど似合わない。だから普段からコンタクトレンズを装着するようにしているのだが、
仕事柄夜中についうっかり寝るということがまま有るので、
コンタクトを嵌めたまま睡眠してしまうということになり、
結果目を痛めるので時々は眼鏡を使うのだ。
しかし鈍ったのは果たして私の目だろうか。
今年のあなたは去年よりもそのまえよりも鈍くみえるのだ、
庭の、なも知らない、誰も気に止めなくても毎年鮮やかな青紫の花をつけていたその木の事が。
君子のように気高かったその花が。
褪せて見える。
鈍ったのは目か、それとも他のなにかか。
とにかく眼鏡を新調したところで一向にこの夏、あなたは鮮明さを失っている。私はそのことを非常に残念に思っている、そして焦っている。
鈍ってしまったのは木の方か、私の目なのか、それとも目が、
働こうとする意思その物なのか。何かが私の中では煮きってぐずぐずと崩れていこうとしている。その事に私は焦っている。
私も老けた。とうがたった。色々と無くしたものもある。出来なくなったことも増えた。ミシンかけは昔からへたくそだったけどなおのこと不得手になった。私に出切ることは少ない。私は焦っている。
なも知らない、誰のためでもない。
今年も咲いた青紫の花が泣きたいくらいに霞んでみえる。無様なまでにふやけてみえる。私はとても焦っている。
鈍くなったのは、
単に目なのか、見ようとする意思なのか。見まいとする意志が働くなら、それは私の活きるという意欲が。