長編お話「その顔に、根の跡」30 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

「岡村くん、ヤッちゃんからLINE来た。」
「ああ、見た見た。」

恐らく小田切と坂岡くんから直ぐに既読がついた。
でも重ねてなんだか曖昧な書込みも入ってくる。

“たぶん小川さんで間違いないと思うんだけど、確かめる方法がないんだ。”
確かめる方法がない? なんだ、この曖昧な言い方は。
私は

“小川さんは小川さんなんでしょ?”
と書込みをした。グループだから仕方ないんだけど、すぐ隣で岡村くんのスマホが鳴って迷惑そうな顔をされた。

“確かに立中の同級生なのは確かなんだけど
どういったらいいのかなあ。”
ヤッちゃんの書込みが続く。

“痣あった?”
隣で岡村くんが書込みをしたのが分かった。

“それは分からない、
ただ本人と話をして僕たちの同級生で立中出身だとは言っている。”
“でも僕のことは全く覚えていないと言ってる。”
“僕も全く記憶がない、その人に。”

“何だそれ。”
小田切からの書込みがあった。

“とにかくよく分からないんだ。
皆で探そうって言ったんだから、ちょっと一回みんなで会った方がいいと思うんだよね。”
私と岡村くんはこれらの書込みを読んで思わずお互いの顔を見た。

“幸い連絡先は教えてもらったから、近いうちに集まろう。
彼女もそれは了承してくれたよ。”
“それで、今は?”

私はLINEに書き込んだ。
“仕事に行くと言って、言ってしまった。”
とヤッちゃんから返信があった。