私の住む立川市乃木地区では春に運動会が開かれる。
地区内の各班対抗の草試合みたいなもので、まあ親睦を深めるだお互いを監視しあうだそんなことが胸のうちに畳んであるもんだから実は私は好きでない。
しかし言われたら聞くと言う土地柄なのか皆が暇なのか、開けばいくらも盛り上がるのであった。
乃木地区春の運動会。
それにしても最近の若いお母さんと言うのは作り込むと見事だと私は感心している。
どのお母さんかと言うと、
偏見でも
親御さんがあまり熱心に本を勧めなかったのだろう
とおぼしき類いの女性、と言えば伝わると思う。
そしておそらく同じ女性であると思う。今日はずいぶん作り込んでいるけれど。
若いお母さん、普段は同じ色のトレーナ素材の簡単な服を着てサンダル履きでビニール袋など下げているけれど、
今日は茶色い髪にも波が付いて目の辺りにはケムシのようなタワシのようなものがどっさり乗っている。
威圧的な化粧である。普段は目など存在しない程だから。
お母さんはよちよち歩きの子どもを連れていて、さっきから賑やかに叱っている。
「てめ、石灰さわんなって言ってんだろ、止めろ!砂糖じゃねえよ、石灰さわったらやべんだって。」
お母さんとしては叱っているつもりなんだが、きっと、普段からそんな口調なんだろう。
子どもの方では遊んでくれていると断じてきゃあきゃあ喜んでいるのがかわいらしい。
なおもラインマーカーを触りたがるので、お母さんもまた非常に怒っている。
失礼でも、学校の時あまり教科書を開いたことがないのだろうなとおぼしきお母さんだ。
そんなお母さんでも、石灰を触ると危ないからと、きたない言葉でも自分の子どもにさせまいとする。
や、女の方と言うものは誠にすごい。どんなにしても子を案ずるやり方が身に付いている。
しかしそこは余り調べたり覚えたりに熱心しないお母さんだから、
この頃ラインマーカーには牡蠣や帆立の殻を使っていて全く安全な事を一切知らないのであった。