呆けたことを敢えて言うなら自分が異性として惹き付けられるのは生涯で今の妻1人だけなんだけど、
それとは別に時折、
「この人間には負けたくない、
おれはこの人間に認められる能力を得なくてはならない。
おれは断固として
この人間の視野に入っていなくてはいけない。」
という出会いがあるもので、たまたまそれが同性でなく異性だった場合は、恋に近い状態になったりするんだというそれだけのことだ。
でも自分は今でも君のことを忘れがたく想います。
二十歳よりは長生きしないと言っていた君が
いよいよ死んだという話も聞かないから、今でもどこかで騒々しくしていますか。
破天荒というより支離滅裂で、
仮面ライダー1号の自律走行二輪が自律しながら暴走しているような人だったのを自分は懐かしく想います。
どうせ死んでしまうんだからやりたいことは全部やる
と言っていた君が実際どんな病気なのかとうとう分からなかったけど、大学祭の打ち上げで泥酔した君が
屋上から無謀なバンジージャンプを試みたのを
居合わせた野郎が全員かからないと止められなかった時の騒ぎはデジタルリマスター版で今でも再生できるくらいです。君のどんな時の姿も、自分の中にはっきりと残っている。
多分消滅することはないんじゃないかな。
生きることを儚んでいたくせに、君の肉体にはリミットを外せばとめどなく溢れる、潤沢なパワーがぎちぎちに詰め込まれていたじゃないか。
だから逆に、君は自分のままならない体とか、それでも暴れようとする君自身の若さに、とことん嫌気がさしていたんじゃないかな。
2年の途中から君は学校に来なくなってしまって、
いつの間にか自分が連絡しても通じなくなってしまった。
自分は今、こういうのをありきたりな別れっていうのかな、と思います。
自分もこの春30になった。君じゃなくても別離に至った何人かの後姿も経験した。
でも僕は、それでも君のことを懐かしく、猶忘れがたく思い出す。
ねえ、もしどこかでこれを読んだりしたら、
何か合図をくれないかな。
単純に自分は今でも君がこの世に居てくれるんなら、それが嬉しくって仕方ないと言う、そういうことなのだ。
ただ合図だけで構わない。
僕の子どもは今年1歳になるのだから。
*今回はサカナクションの「グッドバイ」と言う曲から着想しました。
去年からサカナクション大好きです。
書くときはいつも聞いています。
「ありふれた別れがいくつあるだろう。」
ボーカルの山口くん、さいこうです。