父は子どものころネコを拾った
うちに連れて帰ったら捨てて来いと言われて
原っぱでしばらく一人でエサやってた
そしたらそのうち死んだんだって
だからかどうか知らないが父は
母が金魚を大量にもらってくると激しく怒った
今度もらってきたら 離婚だ!
と言った しかし毎年言っていた
母の妹の夫がテキヤをやっていて
夏が終わるたびに売り余した金魚を母が引き取る
で 翌朝にはだいたい死んでいる
父はどうもそういうのがイヤだった
ネコが死ぬにしても金魚が死ぬにしても
私には良く分からない
裏のよっちゃんちのおじさんが死んで
「おつやのおてつだい」でおにぎり持って行ったりしたけど
死ぬに関して私は良く分からなかった
かえるを殺すと平泳ぎが上手くなる
という うわさが起こった
平泳ぎが一番上手いあきらくんが
いつもかえるを殺していたから
私は平泳ぎが上手くなりたかったから
ある雨あがり
校庭にいたかえるを捕まえて石で刺しておなかを破いた
結局私はかえるをその一匹しか殺していない
うげええ
って思ったからだ
いやだああ
と思ったからだ
私がお腹をえぐりだした時に
そのかえるが死んだ
それがずごく
うげええ
だったのだ
ひょっとすると死というのは
自分が殺した相手しかわからない物かもしれない
それ以外はなんにもわからないものなのかもしれない
では人の死を理解するためには???
おそろしいことだ