いよいよもっておれは血も涙もない人間のようである。
しばらく懸案事項だった父の母親なのだが、現在末期ガンでぼちぼち死ぬようである。
おれがその事実を聞いた時には「もって一週間」と言うことだったので、
現に一週間が過ぎている以上当然おれはこう尋ねる。
「まだ生きてるの?」
すると実家の母がいかにも情けない顔するのだ。
だって。
父の母親は
時代が悪いのか人間が悪いのか非常に屈折した人間で、ぴんぴんしてたころはみんなこぞって悪口を言っていたのだ。おれもね。
あれだけ言語で下しておきながら、いざ死ぬとなって悲しむことなど出来はしない。おれはそういう人間だ。
どうやらおれに無いものは
「.5」
の感情らしい。
曖昧な機微を理解することが出来ないのだ。
言外の暗黙の了解はこの国の美徳である。
でもおれはぼちぼちそれが理解出来ない。
日本人やるのもそろそろ辛いなあ。