「王将」(S23)は何度か映画化されていますが、
最初はこの作品です。

これは関係者に取材して聞いた話ですが、
それまでの大阪の映画は、なまりや品の無さ原因で

不評だったのですが、
「王将」は権威に対する反骨精神が
評価されてヒットしたと聞いています。

戦後、大阪映画はたくさんつくられていますが、
京都や東京で撮られています。

「めし」(成瀬巳喜男)は東京人の夫婦が大阪人の間で
もまれて成長する話・・・

「大阪の宿」は東京から赴任してきた主人公が、
アクの強い大阪になじんでいく話。

少し飛んで「ミスター・ルーキー」(2〇〇2)は
周りの大阪人にほんろうされる話。

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スマートな東京に対してアクの強い大阪、という構図が
共通します。いずれも東京の人を主人公にした大阪映画です。

東京の作家が大阪をそうとらえているんでしょう。
こういうのは僕もいいな、と思います。

「夫婦善哉」(S3〇)、
これが大阪映画の定番。織田作之助原作です。

(織田作之助)
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原作とは違って船場が舞台。
路地裏の感じが大阪を象徴してると思います。

しかし9割方東京で撮られた作品です。

「わが町」(川島雄三監督)は大阪人の土性骨が
描かれた映画で、僕はこれが大好きです。

「夫婦善哉」に始まって
たくさんの大阪映画に森繁久弥が出演して大ヒット。

それに対抗する形で市川雷蔵が「ぼんち」に出演します。

(市川雷蔵)
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大映でクランク・インした時のエピソードとして
山崎豊子が、「原作と違うから映画化を中止してくれ」と

言い出した・・という話があります。

船場の悪しき風習を描いているところのある作品でした。
映像は斬新で、市川雷蔵の代表作になっていると思います。

これは大阪の商売もの、というジャンルができるきっかけになった
のかなと思います。


(次回は大阪のイメージか゜ステレオタイプ化するまでが出てきます、お楽しみに!)ペタしてね