小鳥飼育の世界で「ペレット」と言えば、それだけで日常的な栄養がカバーできる加工飼料の意味として使われることが多いです。犬にとってのドッグフード、猫にとってのキャットフード(生や半生でなく「カリカリ」の方)と同じ位置づけですね。
本来肉食動物のワンちゃんやネコちゃんに、毎日お肉を食べさせるのは大変ですし、サーロインステーキのようなものだけだと栄養がかたよってしまいます(野生だと骨や内臓も食べますから・・・)。だから、人工飼料が必要になるのですけど、それは大型インコなどの飼鳥でも同じです。大型インコの本来の食性にあった食べ物は用意しにくく、かわりに人間が用意するもの、例えばヒマワリの種などだけでは、脂分が多すぎて肥満などの不健康な状態にしてしまうことが多くなります(より多くの問題は運動不足ですが、大型インコが自由に飛びまわれる環境を用意するのはほとんど不可能です)。そこで、より低脂肪な人工飼料が必要になって、ペレットが登場するわけです。
一方で、文鳥などの小さな小さな小鳥は、もともと穀物食がおもで、それも人間が主食として食べるイネ科の植物の種を食べる種類だったので、人に飼われるようになっても、野生の食性とさほど変わりません。しかも、小さいくて動きが早いので、ある程度のカゴの中なら羽ばたけてしまいますし、文鳥のような水浴びが好きなタイプだと、それだけで運動が十分できてしまいます。つまり、人工的なものを用意しなくても、十分に健康は維持できて、そのため、代々、文鳥だと日本で少なくとも200年以上、繁殖されています。
つまり、文鳥にとってのペレットの必要性は、犬猫や大型インコなどとはちがうことになります。それはおもに、オールインワンの利便性です。青菜などの副食を用意しなくても(栄養上は)問題なしのはずで、穀物の殻を散らかされなくて済みます。
長らくアメリカ合衆国製のペレットを輸入する状態が続いたのは、(一部の獣医さんたちの思いこみやそれに影響されるままの人たちの誤解に基づく一部製品の推奨もあったようではありますが・・・)日本ではペレットを必要としない文鳥などフィンチ類の飼育が多かったからだと思います。でも、はっきり言って国産の方が安心です(何かあったら文句を言いやすい・・・)。でもでも、需要が少ないからなのか、製品化されることが少なくて、長続きもしないんですよね・・・。
と、不吉なことを言いながら、紹介したいのが、このたびイースターさんが発売されたフィンチ専用のペレットです。『リトルバードセレクション プロ』・・・力、はいってます。イースターさんのサイト上に紹介ページも用意されているので、ご覧いただければ、と思います(コチラ)。
で、おしまい、では無責任なので、旧製品化する同社のペレット『インコセレクション』と比較して、何が変わったかを見ておきたいと思います。
まず、大きさはむいたアワ程度の小粒で同じようなものですが、黄色っぽかった色が緑色に変わってます↓。においも、以前のものはドッグフードのような感じでしたが、それをおさえるようにハーブの香りがします。
栄養成分を気にする人もいますが、自然の原材料をつかっていれば、すご~く人工的な添加物で調整しないと、一定の栄養成分を保つのは無理なので(オーガニックで栄養成分はこれこれ、は有り得ないです)、あまり気にしないで原材料の変化を見ますと・・・。珍しいものがいろいろ加わっています。
「アルファルファミール・昆虫粉末・ゼオライト・乾燥ローズマリー・月見草オイル(γーリノレン酸源)・たんぽぽ粉末・魚肉抽出物(アンセリン源)・CPP(カゼイン・ホスホ・ペプチド)・パン酵母(セレン源)」
アルファルファ」は小鳥の飼料としても用いられる栄養豊かな牧草なので、緑色はこれの影響と思われます。自然な形でビタミンA類を付加しようとの考えでしょうか。
昆虫粉末は、フィンチ専用のみの配合で、文鳥などのフィンチ類の本来の食性に、昆虫が重要な要素を持っていることを意識したもののようです。フィンチのクチバシは尖がっていて、昆虫を捕まえるのに適した形になっていて、確かに野生のスズメは青虫などの昆虫をよく食べます(ただし文鳥などは、おそらく元々穀物食の比重がより大きく、また昆虫を食べないで代々飼育されてもいるので、必須では無いです。ミルワームなどを与える人もいますが、少数派です)。
ゼオライトは鉱物飼料だと思われます。歯が無いために口でかみ砕くのが難しい鳥たちは、胃の中に鉱物をためて歯の役割をもたせているとされるので、それを意識したものと思われます(通常の飼育では鉱物飼料として塩土が用いられます)。
ローズマリーは有名な西洋ハーブで、消臭・抗菌・抗酸化作用などがあるようです。この商品の香り付けになっている感じですが、長持ちさせる効果もありそうです。ハーブの香りは、これに由来するものでしょう。
月見草が多く含むガンマリノレン酸は、健康良いのでは?と注目される物質で、血中コレステロールなどを抑制する効果が期待されているようです。
タンポポは、道端でよく見る雑草ですが、その葉っぱは小鳥の飼料として与えられることもあった野草です(苦みが強いので食べるのは若葉だけではないかと思われます)。根っこは「蒲公英根」という漢方薬の原料で、おもに健胃作用があるとされます。いずれにせよ、たくさんでなければ体に良さそうではあります。
アンセリンは持久力を高めるなどの効能で人用のサプリメントとしても注目されている物質です。鳥の場合、胸筋に多く含まれていて、飛翔の持続を可能にしているらしいです。
カゼインホスホペプチド(CPP)も、健康良いのでは?と注目される物質で、カルシウムの吸収をたすけてくれるそうです。
セレンも抗酸化作用などで有用とされる元素ですが、濃縮してサプリメント化することで過剰摂取にもなるので(必要量がごく微量)、濃縮するような形を取らずに、パン酵母から取り入れているものと思われます。
つまり、いろいろ健康に良さげなものを加えた頼もしい内容、よくぞこれほどいろいろ考えてくれた!!と感服する内容と言えます。
問題は・・・食べるか、嗜好性ですけど、反則(濃い味付けをするなど健康的でない)をしない限り、これは慣れの部分が大きいかと思います。

