1月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2524
ナイス数:30
ほろよい味の旅 (中公文庫, た24-4)の感想
悪態はついていても愛情を感じる。 食べ物の描写はそれほど詳細ではないけれど、情景が目に見えるよう。空気感というか雰囲気を醸し出すのがうまいのかと思う。 「どこどこ産の食材だから美味しい」とか決めてかかるのは、コトバをたべておいしがっているだけで、ほんとにうまいのか。という記述にはハッとさせられた。 戦後間もなくの新宿の描写が興味深かった。
読了日:01月29日 著者:田中 小実昌
サザエさんの東京物語 (文春文庫)の感想
エピソードを読んでいると、長谷川家は磯野家的であり、中でも町子さんはサザエさんでもカツオ君のようでもある。 同居していた洋子さんの夫はマスオさんのモデルでお子さんも同様だったのかとも思う。 ご先祖が薩摩藩士ということを知り、サザエさん一家がこの家父長制な家族という設定になったのかと合点いった。 現代の家族像をリアルに表現する江國香織さんが解説というのも町子さんとの対比で興味深い。
読了日:01月27日 著者:長谷川 洋子
アガワ家の危ない食卓 (新潮文庫)の感想
父上の食エッセイにも登場したエピソードが、佐和子さん視点で書かれているところは、だいぶ二人の思っていることが違うな、と可笑しくなりました。 偏屈な父に個性的な娘、いい勝負だと思う。
読了日:01月23日 著者:阿川 佐和子
綺堂随筆 江戸の思い出: 綺堂随筆 (河出文庫)の感想
江戸の残り香のする明治、大正の東京の風俗が目に見えるような随筆。 上品な池波正太郎な語り口で読みやすかったです。
読了日:01月18日 著者:岡本 綺堂
一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)の感想
フランスのホテルや京都の料亭などで修業したのち、家業の家庭料理の世界に入ったときの違いに悪戦苦闘したりした様子が伝わってきました。 そこから土井さんのよくいう「いい加減」は適当ではなく適切という意味のほうなんだと思いました。
読了日:01月15日 著者:土井 善晴
妖怪になりたい (河出文庫)の感想
自伝的エッセイ。 アシスタントだったつげ義春、池上遼一について書いてあったり、海外旅行や南方に再来した話が印象的でした。 巻末に池上氏との対談あり。
読了日:01月11日 著者:水木 しげる
岡本綺堂 怪談文芸名作集の感想
古典怪談に不思議な話。 ちょっと遠野物語的なものも感じました。
読了日:01月08日 著者:岡本綺堂
彼女たちの場合はの感想
場所設定がアメリカのなじみのないところだったので、イメージがわきにくく、読むのに時間がかかってしまった。 黙って旅行に出てしまった娘を心配するが、やることが裏目に出る無能な父親の描き方がうまい。
読了日:01月05日 著者:江國 香織
読書メーター
年越し読書は江國さん。
年明けは種村さんの本で書かれていたのを読んで
興味がわいた岡本綺堂を。
若いころは江戸時代の小説に苦手意識があり
読まず嫌いでしたが
今更ながら読んでみると面白い。
これからも少しずつ読んでいくつもりです。