街中温泉、いわゆる健康センターで感じることがある。
やたらと神経質な人が多いということだ。
体を洗おうとカランの前に座る時、まず椅子をシャワーで洗う。
うん、これは俺もやる。
そして桶も一応洗う。これも俺もやる。
次にカラン、つまりお湯や水が出てくるあの金属製の部分だが、
ここもシャワーをかけ丁寧に洗う。これは俺はやらない。
浴室の中にある椅子に腰掛ける時は必ずお湯で流す。
最後に浴室を出て行く時、扉の手前のタイルをお湯で流す。
こんなことは俺はやらない。
まあ、百歩譲ってそれはいいとしよう。
でもこういうことをやる奴に限って、
シャワーで髪を流す時、めいっぱい後ろに飛ばすのだ。
前から顔と頭に向けてシャワーをかけるもんだから
その半分は後ろ側に飛ぶ。
後ろ側には向こう向きで座っている人がいて、
その人にかかっているのだが、
そんなことはお構いなしだ。
時には冷水を浴びたりもするのだ。
俺?俺はもちろんシャワーは後ろから前に向け当てる。
人にかけないようにするのは当たり前のことだ。
こいつらは浴室から出て行く時、体を拭くことをしない。
だから扉の外側のバスマットはいつもびしょびしょだ。
俺たちは母ちゃんからも婆ちゃんからもそんなことは教わった。
風呂から出る時、体を拭くのは当たり前だ。
こいつらはそんなことを教わってない。
というより俺は金を払っているのだから、
バスマットを取り替えるのは金をもらっている従業員の仕事だ。
気を使うことなんか必要ない、と思っているのだ。
そんな奴が子供を連れてくるとたまらない。
子供は大声で喋るし、風呂の中で泳ぐし、
体を拭かず、扉も締めずに出て行く。
あー、嘆かわしい。この日本はどうなっていくのだ。
タイトルが間違っていた。
神経質と無神経とじゃなかった。
自分勝手と無教養と、だった。