(昔の某幹部の指導より)
●指導の要点
自己の宿命を正しく見つめ、自身の変革が、全てを解決するカギであることを一念においた祈りが大事である。
今まで海外をあちこち回りましたが、どこの国へ行っても人は、みんな幸せになりたいと願っている。
この願いは万国共通です。
ところが、その幸せを獲得する仏法のことになると、言葉がわからないとか、難しいとか、教学の本がないからと言う人も多い。
その人にはこういうのです。
私は日本語しかわかりません。
砂糖の事をドイツ語や、フランス語で、何と言うのかわからない。
知らないけれども、どこの国の砂糖も甘いという事はわかった(笑)
名前(言葉)が分かったから甘かったというのではない。
名前(言葉)が分かろうが分かるまいが、どこの国の砂糖も甘いのです。
それと同じように、言葉はわからなくても、御本尊に功徳があると言う事は、万国共通なのです。
ある国へ指導で行った時のことです。
ヘソクリを夫に見つけられたことから、大喧嘩をしている夫婦に会いました。
これまであまり信心していなかった非常に気の強い婦人で、そのために1年間も夫と口をきかない。
洗濯もしない、食事も作らないと徹底している(笑)
そして、その婦人が〝何とか夫と別れたい〟の一念で百万遍のお題目をあげて願いをかけたと言うのです(笑)
その百万遍のお題目を唱えきった翌日、私と会ったわけですが「願いとして叶わざるは無し、と聞いていましたがサッパリ叶わないのはどういうわけですか?」と質問してきたわけです(笑)
その時、私は人が幸せになる願いは叶うが、不幸になる願いは叶わない。なんでもかんでも願いが叶ったら大変なことになる。
逆に私は聞きました。
「主人と別れるように百万遍あげたと言いますが、主人が信心できるようにと、何遍題目をあげたんですか?」と。
ところが、別れるように百万遍あげても主人が信心するようには一遍もあげていなかったというのです。
主人が悪いから苦労するのか
そうではない。
主人で苦労する宿業があるから苦しむのです。
主人が悪い事は分かっていても、自分が良い妻ではなかったことにはなかなか気付かない。
日蓮大聖人御在世当時の池上兄弟も同じです。
信心に反対する父は確かに悪い父かもしれない。
だが、なぜ反対されなければならないかと言えば、実は善知識なのです。
主人が悪い、親が悪いということがわかっても、自分の過去世の謗法の罪が、まだまだ大きいという事は分からないから、自分の懺悔もしないで相手ばかり恨んでいるのです。
こういうことをコンコンと話して『今までのことをすっかりお詫びして、御本尊様にご主人がしっかり信心できるように祈念しなさい』と指導しました。
あくる日、私が飛行場へ行きましたら、その婦人が車で駆けつけてきた。
『昨夜は大変にありがとうございました。家に帰って御本尊様の前に座って唱題したところ涙がとめどなく出てきました』と言うのです。
そこで私は『今まであなたは主人から見れば悪い妻、子供には悪い母だった。しっかり信じすれば、良い母、いい妻、広布にプラスになる人材となるのです。帰ったら、子供さんにも謝りなさい』と話しました。
ところが、その婦人は『子供にも謝るんですか
』と困り果てたように3回も聞いてきた(笑)
いくら親だって子供の足を踏んだらごめんなさいと言うのは親でしょう。
「この子は私が産んだのだから謝る必要はない』と言うわけにはいかない(笑)
と言うと「子供には謝りにくいですね」と言っていた。
しかし、御本尊に題目を唱えでお詫びし、本当に悪い母であったことがわかれば、自然とごめんなさいと言う言葉でになって出てくるのです。
その婦人曰く『必ず人間革命して報告出来るようになります』と。
その後、その婦人から手紙が来ました。飛行場から帰って、さっそく食事を用意しテーブルに置いたが主人は食べなかったとのこと。
「ごめんなさい」と謝らないでただ作っておいたらしいのです。
何も言わないでおいたのでは食べるわけがない(笑)
子供にもいまだ謝っていないが、指導の内容をそのまま話したところ、子供も180度変わったとのことです。
手紙を読んで信心のやり直しをするんだと言う婦人のなみなみならぬ決意を実感しました。
この例からも分りますように、自己の宿命を正しく見つめ、自身の変革がすべての解決するカギであることを一念においた祈りが大事になってくるのです。
