【再発見 心発見 誌上セミナー「ストレス社会」を生き抜く知恵】
●大白蓮華2014年9月号より ●
心身をストレスから守る心構えをお話します。
私たちは、ストレスそのものを悪玉のようにみてしまいがちですが、
ストレス自体は、
正常な心身の働きであり、
生活をするうえで当たり前のことです。
もしストレスがなければ、
人間らしい生活が営めなくなります。
行動心理学の実験でも、
好きな時に眠り、食べ、
好き放題をさせる生活を半年ほどさせると、
人間の知的向上心が著しく低下することが報告されています。
つまり、ストレスがないと、
人間は堕落してしまう動物なのです。
そこで大切なのは、
ストレスに反応する自分に付いてよく理解し、
自分なりのストレス克服法をつかむことです。
私は、誰でも実践できるストレス克服法を五つにまとめています。
1. 「笑うこと」。
大きな声を出したり、おなかを抱えたりして笑うことは、
血液の流れをよくする上からも効果があります。
また、笑うことで、脳からのホルモン分泌を促し、
免疫力を高めるのにも有効です。
2. 「友人を持つこと」。
何でも話せる友人を持つことです。
話すことで、心が軽くなります。
私たちの仕事は、相手の話を否定せずに、
聞くことに徹しています。
聞いてもらうだけで、問題解決の糸口が見えてくることも多いのです。
3. 「生きがい、趣味を持つこと」。
今からでも遅くありません。
些細なことでもいいので、
自分のやりたかったことに挑戦すると、
生き生きとしてきます。
4. 「仕事と休養のメリハリをつけること」。
"ストレスがたまったな""疲れたな"と思ったら、
きちんと入浴し、睡眠を十分に取ることです。
時間に追われている人は時間の余裕を作る。
人間関係で行き詰ったら、少し距離を置いてみることです。
5. 「すべてを感謝に変える楽観的な考え方」。
「病気」イコール「負け」ではありません。
病気になった時は、
「私に休養しなさい」ということなんだ、
病気とうまく付き合いながら、
生き方を見つめ直すチャンスなんだ、といったように、
すべてを前向きにとらえることです。
今、紹介したストレス克服のポイントは、よく考えてみれば、
創価学会の活動の中で、知らず知らずのうちに実践していることです。
会合で笑い、多くの同志と語り合い、地域広布に励み、
どんな苦難にも前向きに立ち向かおうとする......。
私は、学会で信心に励んだことで、自然のうちに、
ストレスを乗り越える力を培うことができたと実感しています。
ストレスは、個人の問題だけでなく、
地域や社会全体で取り組まなければならない問題であることを日増しに感じています。
皆さんが、心の触れ合いのネットワークを一層広げながら、
自分らしい生き生きとした人生を送られることを願っています。
看護師 望月哲子さん
PROFILE:
秋田県生まれ。
県内の定時制高校を卒業後、東京の総合病院に勤務。
1998年、精神疾患とアルコール依存症の治療やリハビリを行う専門病院へ。
NHK「クローズアップ現代」などのテレビ番組にも出演。
大2東京 白樺会総合委員長。 婦人部副本部長。