このエントリーでは、当工房がリリースしております砕石敷き駐車場セットのつくり方を解説していきます。
このキットはBoothにて通販しております。ぜひお好きなモデルを飾ってお楽しみください。
それではさっそく、解説に入ります。
まずはパッケージの中身を確認します。
【キット内容】
・砕石 1パック
・直交クランプ 2個
・トラロープ 1本(約90cm)
・ロープ固定用ピン 6本
【別途ご用意いただくもの】
・お好みの展示ベース、ディスプレイケースなど
・クランプ塗装用の塗料
(参考として)タミヤラッカー LP-11 シルバー
LP-62 チタンゴールド 等
・φ2mmプラ棒 (30~40cm程度)
・地面素材
Mr.ウェザリングペースト
ファレホ ジオラマエフェクト 等、お好みで
①地面をつくる
・今回は作例として、百均で売っている木箱をひっくり返して、その底面をディスプレイ台座として利用した製作を行ってみます。
手順としては、始めに土の地面を作り、その上にキット付属の砕石を撒きます。
今回はやや濃い目の土表現として、「ファレホ ジオラマエフェクト」の“Thick Mud”を百均で売っている木製マドラーで掬って均一に塗りつけています。
ファレホという塗料はスペイン発の水性塗料シリーズでして、溶剤臭などもほとんど無いとても安全な水性塗料ですので、機会がありましたらぜひ一度試していただくのもよろしいかと思います。
日本ではボークスさんが主な輸入代理店となっていますが、その他の模型店や通販サイトでも入手できるかと思います。
参考までにボークスさんの公式サイトを覗いてみてください。
また、クレオスさんからも同じように使えるMr.ウェザリングペースト(画像右)というものが出ていますので、今回の駐車場キットを作る際には、これらをお好みでご使用ください。
こちらがペーストを塗ったところ。
付属の砕石をサラサラとまぶしていきます。
ペーストが乾くまでにはかなり時間の余裕がありますので、ある程度の量を撒いたら指等で軽く押さえていくことで「タイヤで踏み固められた地面」が表現できます。
さらに砕石を重ねたい場合は、砕石を撒いた上から2倍程度に薄めた木工用ボンドをスポイトなどで少しずつかけて固めていきます。
ファレホは水性塗料ですので、濡らした筆で部分的に水を流してボカすことで自然な風合いも演出できます。
これで土台となる地面が出来上がりました。
②車室をつくる
あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、クルマが駐車するスペースのことを、「車室」と呼びます。
砕石敷き駐車場の場合、ほとんどは「単管」という金属パイプと「直交クランプ」、「トラロープ」を組み合わせて造られていることが多いものです。
いずれも建築現場で鳶職人が組み上げる外壁足場の材料でもありますが、入手しやすく耐久性も高いのでこのように使われることも多いのでしょう。
上の画像が完成形です。
これから順を追って説明していきます。
・車止めの製作
【プラ棒】
プラ棒は任意の長さにカットした後、シルバーで塗装してそのまま単管として使用します。
ちなみに実際の単管は無垢ではなくパイプなのですが、一般に2mm径のプラパイプというのは入手困難なものですので、もし気になる場合は端面を1.5mm程度のドリルで開口してみてもよいでしょう。
そしてここでは任意の長さの1本の他に、地面に植え込むための短い2本も用意します。
およそ1cm程度あれば十分ですので、下の画像の状態にカットしてシルバーで塗装してください。
【直交クランプ】
・キット付属の直交クランプは、直径2mmのプラ棒がそのまま挿し込めるように作られています。ネジ部分はシルバー、それ以外をチタンゴールドで塗装します。(下記画像参考)
塗装できましたらプラ棒の単管と組み合わせますが、あとで位置決めする際に調整できるようにするため、絶対に接着はしないでください。
※この部品はアクリル系素材の3Dプリントパーツです。
力を加えると割れやすいので取り扱いにはご注意ください。
【車止めの設置】
日本の駐車場というのは、おおむね車室の規格というのが定められています。
具体的には、1/24換算で
幅105mm~125mm程度
長さ208mm~230mm程度
となります。
このサイズで枠を作れば、大抵のクルマはちゃんと駐車できます。
それを踏まえて、下の画像をご覧ください。
赤線が車室寸法の下書きで、青マルが車止めを設置するポイントです。
この作例では木箱のフチにマスキングテープで目印をつけてあります。
青マルの位置に2.5mmのドリルで穴を開けます。
車止めの位置を確認します。
ドリルで開けた穴にボンドを塗って差し込んで固定すれば完成です。
・トラロープを張る
続いて、付属のロープ固定用ピンを使ってロープを張っていきます。
これは手順の一例ですが、下の画像の赤線①~④を先に張り、続いて青線②-⑤と③-⑥を後から仕上げるやり方をおすすめします。
この場合では、ロープを赤線用の長い1本と、青線用の短い2本という形でカットします。
実際の長さは製作される作品のサイズによって変わりますので、必要なロープ長さを確認しながら、適宜カットしてご使用ください。
【ロープ固定用ピンの使い方】
ロープ固定用ピンは、挿し込む位置に1mmのドリルで穴を開けて使用します。
設置したい部分に穴を開け、ピンにロープを挟んでから、しっかりと穴に押し込みます。
床板の厚みがあればそのままでも十分な保持力が出ますが、必要に応じて接着剤も併用するといいでしょう。
ポイント②と③のピンは、⑤⑥を繋ぐ短いロープも一緒に保持するので手順をよく確認してから作業してください。
【完成】
これで完成です。
お疲れ様でした。