先日こちらのツイートでもご紹介させていただきましたが、製作代行のご依頼品を納品いたしました。
オーナー様のご厚意によりまして、こちらでも掲載させていただきます。
・製作キット
青島文化教材社 ザ・モデルカーシリーズ No.99
1/24 日産 S15シルビア
・こだわりポイント
今回はオーナー様が以前乗っていた実車を元に、その思い出をできるだけ再現することを目標に製作いたしました。
こういった製作は改造部分の再現などが仕様外の作業となってしまうためなかなかお受けすることが難しい場合も多々あるのですが、アオシマさんのキットには純正オプションのエアロやグレード違いが再現できるデカールなどが豊富に同梱されていたおかげで製作が実現できました。
納品の際、完成品をじっくりとご覧になられたオーナー様には、「これこれ、この顔だよ……!」と、満足していただけたご様子でした。
喜んでいただけたようで、何よりでございます。
それではもう少し細かい部分をご覧いただきましょう。
このシルビア、キットとしては安定して店頭に並んでいる定番のものですが、ところどころに手を加えたほうがより一層完成度が上がる部分もありました。
例えばこちらはボンネットの部品です。
左側がめくれるように曲がっているのがお判りでしょうか。
製作前に部品を点検していたところ、ウェルドラインに沿ったこのような歪みを見つけましたのでじっくりと矯正を行いました。
こういった作業は完成度を大きく左右するものですので、キッチリと進めていきます。
さて、見積もりの段階でお伺いしたご要望に沿って工程を検討していきます。
オーナー様には実写の画像やカタログなどの資料を多数提供していただけましたので、とてもスムースに進行することができました。
今回プラモデルとしての社外部品はボンネットのカーボンデカールを別途調達したのと、キットでは16インチ純正であるホイールを独自に3Dプリントにて製作。17インチの社外品をイメージしたものとして表現しております。
タイヤはインチアップの許容範囲内でしたので、キットの物をそのまま使用しました。
背景です。
ここではリアウイングを加工し、中央にハイマウントストップランプが付いていないシンプルな形状のものとして再現しました。
もちろん既存の取り付け位置はパテ埋め整面にて仕上げてあります。
その他、テールランプも成形色が赤のものの他にクリアカラーの部品が入っているのを利用して、社外ユーロテールを表現しました。
よく見るとほんの少しだけ差し色になっているウィンカーランプのオレンジがオシャレポイントになったかなと思います。
こういう部分は作っていて楽しい点ですね。
(こちらが資料としていただいた実写画像です。)
・ボディ仕上げ
S15シルビアのカラーイメージというと、カタログの表紙なども飾る「スパークリングシルバー」が最も有名な色ではないかと思います。
今回ご指定もこの色でしたが、模型用塗料としてドンピシャな色が見当たりませんでした。
他のプラモメーカーから同色ボディを持つ日産車がキット化されていれば、そこから指定塗料を選びだすこともできるのですが、それでもイメージに合うものではありませんでしたのでイチから探し直しました。
そしていくつかの塗料を試してみたところ、メタリックの粒子が極めて細かくてスケール感を損なうことなく、かつ美しい輝きを放ってくれるこの色にたどり着きました。
実車を眺めた時の特徴でもある、陰影と明暗のくっきりした雰囲気もよく表現できまして、とても満足のいく仕上がりになったのではと思います。(どの塗料を使ったのかは、企業秘密とさせていたきたく存じます。)
そしてもちろん最後はクリアコートでツルツルピカピカに。
コンパウンド研磨によりご覧のような美しい鏡面を作り出しています。
最後に全景です。
カーボンデカールの効果は素晴らしいですね。
汎用なので、適切なサイズにカットしたものを貼り込んでいます。
大判の一枚物を綺麗に貼るのは難しいです。
目立たないことですが、部品細部の整形や研磨ですとかクリアコートで埋まってしまわないようにスジボリの掘り込みなども施しています。
完成した時によりカッチリとシャープに決まるように、必要な手間と時間はしっかりかけました。
ケースにただ設置するだけでは寂しいので、些細なものですが銘板を作りまして添えさせていただきました。
このクルマにはオーナー様の手により何度かの仕様変更が加えられていまして、右ヘッドライトのそばに青い文字で型番を記した「GF-S15」というステッカーが貼られていたことがありました。
今回それを銘板の隅に配置することで、ひとつひとつの愛車との思い出を大切にする記号になってくれたらいいな、と願いを込めています。
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今回はご依頼の品ではありますが、とても楽しく製作させていたくことができました。
このS15、とてもいいキットだなと感じて好きになりました。
いずれ自分のコレクションに加えるべくもう一台製作してみたいと思っています。
というかキットはもう手元にあったりしますので、必ず作ります。ありがとうございました。
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