読書といえばミステリーか
軽いホラー的なものが大好きで
その上、大どんでん返しとかあったら大歓喜
そんなだいぶ偏った読書傾向がある母ですが
もう一つ最後にイヤーな気持ちになる
イヤミスというジャンルものも好物です
今回読んだ
「普通の子」朝比奈あすかさん
は、さてどれにあたるでしょう。。。
セキュリティーサービスの会社に
夫婦で勤める佐久間 美保と夫の和弥。
小学5年生の一人息子、晴翔(はると)と
ごく普通の家庭を築き
ワンオペ育児ではあるものの
どこにでもある日常を送っていた。
そんな時
晴翔が小学校のベランダから飛び降り
大怪我をするという事件が発生し
咄嗟に美保は
晴翔が学校でいじめられていたのではないか
との疑問を持つ。
しかし晴翔は頑なに口を閉じ
仕事が忙しく
ママ友などの連絡網を持たない美保は
少ないツテを辿って真相を探ろうとする。
すると晴翔の意外な一面が見えてきて。。。
我が子が被害者であると
盲目的に信じる母親像は
痛々しいというよりだいぶイタく
息子に重ねる美保の小学校時代もまた
陰湿なイジメが横行し
美保自身も加害者側に加担させられていた
過去を持っていて
だんだんとその記憶にとらわれていきます。
我が子は本当に被害者なのか?
子供ならではの残虐性を
我が子だけは持たないなんてことが
あるだろうか?
祖父母の前で見せる優しさは本物なのか。。。
読んでいる間中、
感じていたちょっとした違和感が
最後の、ある人からの手紙を読むことで
確信に変わり
同時にイヤーな気持ちが押し寄せます。
最後の方で
家族の再生の小さな希望が見えたところでの
このラストはなかなかリアル
逆にこれがあることによって
普通の子のタイトルがより際立ちます。
誰でも、もちろん母にも
イジメをしてもされてなくても
見たり聞いたりした経験はあるもの
その中でも一番イヤな記憶を呼び起こされて
寝る前に読んだのですが
しばらく心がザワザワして眠れませんでした
TBSドラマの名作アンナチュラルの
石原さとみさんが放った有名なセリフ
「死んでも彼ら(加害者)に痛みは届かない」
加害者は被害者の苦しみなど忘れて
幸せに生きていく
改めてこれが真実に近いと
思わずにいられません。。
👩今日の食事