1999年に出版された

「永遠の仔」以来

久しぶりに天童荒太さんの新刊

ジェンダークライムを読みました。


土手下で見つかった中年男性の遺体

全裸で後手に縛られ

暴行の跡が残る体の一部から

メッセージが発見される。

そこには一言「目には目を」と書かれていた


男性の息子は

3年前に起きた集団レイプ事件の

加害者だったことから

容疑の目はレイプ被害者の家族にも向けられる


事件は出世道からも外れ

ジェンダー意識に欠ける無神経な

いわゆる親父刑事の鞍岡の視点から

描かれます。


ジェンダークライムとは

特定の性別に対して行われる憎悪犯罪のこと

ストーカー殺人や

男女それぞれへのセクハラなど

性差が問題の根底にある事件などの

全てを指すことがあり

日本では被害者を責める風潮が

未だ根強いとされています。


そして差別の解消について声を上げるとなると

どうしても性暴力とか虐待とかに

話が行きがち

小説だからと言ってしまえばそれまでだけど

それにしてもレイプの連鎖とか

そういうことを主題にしないと

書けないことなのかな…と思ってしまいます


ミステリーではドラマなどでも

女性が性被害に遭い

そのための復讐とか題材にされがち

女児の親からの性虐待もネタにされがちで

見たり読んだりするに耐えないことも

しばしば。。。


天童荒太さんの作品は

永遠の仔以来久々だっただけに

描くテーマの変わらなさが

目についてしまったという母の事情も

あるのだろうけど…

いや20年たっても変わらない社会に

問題があるのか。。悲しい


物語の最初の「目には目を」の

狂気を感じさせるくだりは

読者をミスリードするための

過剰な演出にも思え

いざ犯人が明かされると

え?そんな理由で殺したの⁇

と少しだけ拍子抜けの場面もあり

ちょっと辛口の評価になりました。。。



👩今日の食事

朝・喫茶店風小倉あんバタートースト半分

昼・お正月に買った銀だこの福袋

引換券がなかなか使えずあせる。。。


九条ネギゆずポン酢ソース

夜・甲府市国母の来来亭醤油ラーメン