加茂隆康弁護士の著書レポート  交通事故紛争処理センター | 加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』について考察するブログ
加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』

第四章 きちんと出させるには「出るとこへ出る」
力の差を知る/戦略の差/圧倒的な経済力の差/弁護士のみつけ方
専門外の弁護士/なぜ交通事故弁護士は少ないか/損保側弁護士と地方の問題
地方の被害者の疑心暗鬼/敵に塩を送る/内部規定で払わない弁護士費用
弁護士をつけると損保の態度が変わる/出るとこへ出る/交通事故紛争処理センター
日弁連交通事故相談センター/慰謝料を弁護士会基準より値引きしがちな日弁連の矛盾
紛セと日弁連とどっちが得か/民事調停はご近所のご隠居的
やみくもに調停に申し立てる損保側弁護士


『交通事故紛争処理センター』

交通事故紛争処理センター(略して紛セという)は全国八か所、相談室を入れると一〇か所にあります。
東京本部のほか、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、高松、福岡の各支部と、さいたま、金沢の相談室です。

ここに被害者が申立をしますと、同センター嘱託の担当弁護士が先に被害者だけから話を聞き、
次回には損保側にも出頭を求めて、言い分を聞きます。このようにして、双方から主張と立証資料を出しあい、それらが揃ったところで、担当弁護士が示談斡旋案を示します。

加害者側についている任意保険の契約先が、共済ではなく損保保険会社の場合には、被害者や加害者側損保のどちらかが斡旋案に不満のとき、審査会の「審査」に回してもらうことができます。
審査会は、裁判官経験者や大学教授、弁護士などで構成されます。

審査会では、さらに当事者から言い分を聞き、最後に「裁定」というものを下します。
「裁定」では、加害者側は被害者に対し、金***万***円を支払うのが妥当だという結論を示します。
この「裁定」に損保は拘束されます。被害者が「裁定」案を承諾すれば、その案で示談が成立し、損保はそこで示された金額を払わざるをえなくなります。

一方、被害者は、「裁定」案に拘束されません。承諾できなければ、示談は決裂ということになり、
次のステップである訴訟しか道がなくなります。

なぜ損保は「裁定」案に拘束されるのか。
それは、損保各社が同センターと協定を結び、「裁定」には従う旨を損保が約束しているからです。