『日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―』
文/白井明大、絵/有賀一広
東邦出版
1,680円
日本人のDNAに触れる
本を開くと、目に飛び込んでくる優しい色使いのイラスト。
手書きの文字と共に、懐かしく、心温まる気分にさせる。
二十四節気は耳にしても、それをそれぞれ「初候、次候、末候」に分けた七十二候までは
あまり知られていない。
まして「桃始めて笑う」などと呼ぶとは。
その時期の自然現象がそのまま、候の名称なのだ。
見慣れない漢字や難しい読み方にはふりがなが付き、
柔らかな日本語の響きも感じ取れる。
候ごとに挙げられた旬のものには、発見と郷愁がある。
今風のイベントや地方色豊かなものも含まれていて、
年齢を問わず教養と感性を深めてくれる。